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奥にあるのは上段に至るハシゴ  



時刻表は必要な部分だけ切り離して持参する。本格派テツとしては邪道。  
カチカチに冷えていて、旨からず。  


















































































































「必要最小限」の具現図なのか?  



  

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essay エッセイ
テツわる青森・函館編その1 5月3日
前記:この旅は2008年2月に決行された。


  上野発の夜行列車降りたときから〜、じゃなくて、夜行列車「特急あ けぼの」は21時45分に上野を発車した。

「しんだい・・・とっ・きゅう!」

の感動は前にも書いたので(ヒマここ)、早くも先を急ごう。


  この「あけぼの」は従来型の寝台列車である。
  機関車が客車をひっぱるという牽引タイプである。これとは異なり、客車それ 自体に推進能力があるもの(つまり一般的なイメージでいう電車)を「電車特急 」という。仮名として「あけぼの」のような寝台列車を「牽引特急」と呼んでおこう。

  先のリンクのエッセイで書いたように、「牽引特急」のほうが乗り心地が良い 。
  エンジンの響きが直接床から伝わってくることがないためだ。悪いところは、 列車全体が発進するときに、連結器の振動が伝わってくることである。具体的に は、駅から発車するときに、

ググッ

という振動が列車全体を貫くのだ。しかし、それがまた、いいのだ。テツとして 。ああ俺たち私たちはこの瞬間にこそテツしている。世界を清めるテツとして存在している。おい、そこの非テツ、読み飛ばすんじゃないッ!


  停車駅ではない長岡駅を「あけぼの」は出発した。
  いわゆる運転停車であろう。乗客の乗降は扱わなくても、ダイヤの都合で手 駅に止まることを運転停車というのだ。非テツはよくよく知っておくように。

  寝台列車は、1種の暗渠(あんきょ)である。
  時刻表でダイヤを見てみよう。

高崎         2320
長岡          ↓
新津          ↓
新発田       ↓
村上          320
あつみ温泉  408

  「↓」は通過の記号で、数字は24時間制の発車時刻である。
  本当に通過したのだろうか。ワープしたのではないのか。乗客が眠っているあ いだに、何が起こっているのか。乗客の、つまり僕の預かり知らぬうちに暗渠 の中を通り抜けたのではないのか?

  これが、やはり先のエッセイのシリーズでひいた、

「せっかくの寝台だから寝たくない。でも、せっかくの寝台だから眠りたい!」
(出典多数につき引用原典省略)

という情況である。暗渠を抜けたのかどうか、確認したいのである。


  さて、「あけぼの」は日本海側に出たようだ。
  まだ朝の5時くらいなのだが、雪景色であることは確認できる。車両編成に視 点を移そう。テツとして非常に重要な部分だ。

  前回の「サンライズ瀬戸」は新しいタイプの寝台特急であったが、この「あけ ぼの」は古い。
  僕は今回も個室寝台Bを取ったが、なんと室内で煙草が吸えるのだ。大丈夫な んだろうか。一応は

>寝タバコ禁止

という表示が出ているけれど、例によって狭いので現実的にはどうなんだろうと 思われる。煙もこもるし、僕は座ってドアを開けて喫煙するようにしていた。

  編成は、

・個室B(2階建て)
・個室A(2階ぶち抜きで幅も広い)
・B寝台(蚕だな式の2段)
・ゴロンとシート(自由席で寝台料金不要)

である。
  おどろいたのはゴロンとシートだ。「サンライズ瀬戸」ではぶち抜きの部屋に間仕 切りとカーテンを入れただけのものだが、

「あけぼの」ではB寝台と同じ車両

を使っている。つまりベッドを独占できるわけで、もちろんカーテンもあり、実 質的にはB寝台と全く変わりがない。いくら自由席だと言っても、カーテンを開 けてベッドに寝ている他の客を追い出す人はいないだろう。B寝台のために寝台 料金を払った人は、くやしい思いをするのではないか。


  車内放送は5時から再開した。
  寝台車では夜間は停車駅があっても放送をしないのが普通で、このように早朝 から放送が始まる。列車は定刻通りの運行。しかし6時46分着予定の秋田には、 3分遅れとなってしまった。雪の影響か。あるいは、どこかで列車の遅れがあっ たのかもしれない。羽越本線はもちろん単線であろうから。ホームで朝食用の駅 弁「比内鶏弁当」を買った。本物だろうか。

  乗車率は上野から2割程度だった。
  秋田を過ぎたあたりからはガラガラになった。日本海側を回るから、終着の青 森に向かう人が使う列車ではないためだろう。上野から青森までの所要時間を比較しよう。

・東北本線周りで新幹線と特急利用
  →4時間半。
・上越線・羽越本線周りで「あけぼの」利用
  →12時間。

テツならではの遠回り。ふふふ(^。^)y-.。o○


  列車はどんどん遅れていく。
  青森9時55分着で、僕は10時00分発の函館行き特急に乗り換える予定。青森ま で2時間足らずの地点まで来て、20分遅れ。取り返せるのだろうか。車内に、テ ツに、緊張が走る。車内放送。

>青森で函館方面に乗り換えのお客様にご案内します。接続を取るかどうかを検 討しておりますので、これから車掌が車内にお伺いします。行き先をお知らせく ださい。

  珍しいではないか。
  「接続を取る」というのは、列車Aが遅れた場合、乗り継ぎの列車Bがその乗 り換え客を待つこと。八戸→青森→函館は旅客が多い重要な路線(新幹線と接続 しているから)であり、接続を取るための遅延をできるだけ回避したいのだ。

新幹線は病的にダイヤが遵守されている路線

である。さすがにこの事実は非テツの皆さんもご存知だろう。


  どうなるのだろう。
  「あけぼの」の乗客に行き先を質問するということは、乗り換え人数の多寡に よって接続を取るかどうかを決めるのだろうか。車掌に質問してみると、

「ええ、人数を知らせまして、ここ(あけぼの)では(上からの)指示を待つか たちになります」

ということ。たとえば乗り換え客が10人以下だったら見捨てて、遅延の保障(特 急料金の払い戻しが考えられる)をするのだろうか。青森から函館に向かう次の 特急は青森発11時19分である。特急料金の払い戻しは「2時間以上の遅延」がル ールだったはずだが、特例が適用されるのだろうか?


  青森まで1時間くらいのところで車内放送。
  少々の遅れなので接続を取るということ。なーんだ、つまんないな。「あけぼ の」は結局7分の遅れで到着し、青森発「スーパー白鳥」は4分ほどの遅れで出 発した。


☆リラックスタイム★
・以下の記述は「ここ」の路線図を見ながらだと、よりよく楽しめます。別窓で開きます。できれ ば本物の時刻表が良いのですが・・・持ってないですか・・・。


  久しぶりの青函トンネル通過。
  たぶん2回目だと思う。新しい路線(ちょうど開業20年)のせいなのか、線路 は直線が多くスピードが速い。乗車率は3割くらい。特筆事項はなく、北海道に 上陸して最初に停まる木古内駅で降りる。ホームには20センチくらいの積雪があ るけれど、乗客が歩くスペースは除雪されている。ここで江差線に乗り換え。1 時間待ち。

  よく晴れている。
  特にやることもなく駅前のバスターミナル(バス停は1つだが)を見ると、松 前方面行きのバスが止まっている。今夜の宿泊地は松前なのでこのバスに乗れば 1時間半ほどで着くのだけど、そこはテツ。未乗の江差線で江差まで行くつもり なのだ。

  函館からやってきた江差行きは11時27分発の2両編成。
  大学生らしき4人組が車内でいくつかの席に分かれてシートを独占して眠っている。まだ「青春18きっぷ」の季節ではないけれど、おおかた

北海道全線乗りつぶし

でもやっているのだろう。微笑ましいことだ。テツ修行には必須の、若いころの 乗りつぶし体験。俺もむかし頑張ったよ。お前らもがんばれよ。


  江差に向かう電車は、高くはない山々を抜けていく。
  晴れたり雪が降ったりというのは北国らしい。峠というほどのものはなく、た だ山間を抜けていくのみ。江差線は函館→木古内→江差を結ぶローカル線で、1 日6往復。函館・木古内間を青函トンネルを通る特急が走らなければ、廃線にな ってもおかしくない路線だ。終着の江差には12時34分に着いた。

  ここからが問題だ。
  12時34分に到着して、12時34分に出発するバスに乗らねばならない。事前にネ ットなどでよくよく調べたのだが、鉄道とバスが接続を取ってくれるかどうかが わからなかった。

  ふつう、ローカル線の駅から出るバスは、数分の接続時間を取る。
  駅の規模が小さいので2分もあれば充分なのだ。だからこの「12時34分到着→ 12時34分に出発」はダイヤ上のことで、実際には接続を取ってくれるだろうと踏 んでいた。駅舎から出ると吹雪。あっ。

「江差ターミナル行」らしきバスが去っていってしまった・・・。

(その2に続く)


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