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ここまでしか近づけない・・・。  


































































画面右下の斜線がホームなんです。つまり「レールは写っている」画像なのですね。  









































画面中央下の線がホームの端っこ。赤いリュックは女子高生。  





















































































だから何なんだ、と誰でも思う。  
























































  

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essay エッセイ
テツわる青森・函館編その2 7月12日
  ここがよくわからない。
  事前にバス会社に問い合わせたところによると、江差から松前に向かうバスは 、以下のような運行らしい。

乙部十字街(江差の北にある町)
  ↓
江差駅
  ↓
江差ターミナル
  ↓
松前

  いま僕を見捨てていったのは「江差ターミナル行」だった、はずだ。
  おかしい。江差駅と江差ターミナルをつなぐバスが別にあるのだろうか。時刻 表には「江差ターミナル12時40分発」とある。江差駅12時34分発という事実はバ ス会社に電話したからわかったのだ(つまり時刻表に記述はない)。

  江差駅と江差ターミナルは3キロくらい離れている。
  するとバス会社の案内は、実は直通ではなく連絡バスがあるという意味だった のか。あるいは、今のバス以外に、ちゃんと江差駅→江差ターミナル→松前のバスがあるのだろうか?

  その「江差ターミナル12時40分発」を逃すと、次の松前行きは16時02分発。
  時間のロスもさることながら、松前に6時前に着くのは厳しい。宿は「博多」 というバス停でから徒歩2分ということだが、その「博多」が松前より江差寄り なのかどうかさえわからないのだ。雪国だし・・・。


  以上の思考時間、5秒。

「タクシー!」

  運ちゃんに質問。

「あのバスに乗りたかったけど、追いつける?」
「あ、あれ、えー、バスターミナル行きかな」
「たぶん・・・」
「ああ大丈夫」

  こんな安物の刑事ドラマみたいなことを自分がするとは思ってもいなかった。


  江差ターミナルまで730円の距離だった。
  山の中腹にあって、雪吹雪。視界は10メートルくらいか。ターミナルの係員に 聞くと、松前行きはもうすぐ来る、ということ。先のバスは結果的に、江差の街 中を巡回するもので、僕がこれから乗る松前行きも同じコースをたどったようだ 。やはり、江差駅で2分くらいの接続を取るようだった。失敗。

  このあたり、いかにバスが劣った交通手段かということがわかるだろう。
  運行系統や路線を把握しているのはバス会社と地元民のみであって、一般の旅行者には非常にわかりにくくなっている(一般の旅行者はふつう乗らないという 気もするが)。だいたい、どこのバス会社にもある

「××ターミナル」

というのは、普通の乗客にとって意味がないバス停だ。たいていは街のハズレに ある、バスを待機させるためだけの場所なのだ。江戸川区(だったかな)にも「 奥戸車庫行き」なんていう意味不明のバスがあるでしょう。だれが車庫までバス に乗るものか。

  それに引換え、我らが鉄道。
  時刻表で把握できない路線はない。JRはもちろん、JR以外との接続なども バッチリわかるようになっている。山手線のような異常に本数の多い路線はとも かく、本数の少ない路線であればあるほど、乗り換えが可能かどうかキッチリわ かるようになっているのだ。いかに鉄道がバスがより優れているかがよくわかる 事象であろう。これこそ、

我田引テツ!


  江差から松前に向かうバスの乗客は減っていく。
  最初は5人くらいだったが、江差から1時間ほどで客は僕だけになった。海沿いの国道を走っていく。ときどき地元客が乗ってきて、10分くらいで降りていく 。2時間弱で松前の街に入った。2時半くらい。

  降りるべき「博多」というバス停を通り過ぎた。
  今回の旅はガイドブックなどを持っていない。松前の街は松前城が中心になっ ているという知識しかない。お城から「博多」までは2キロないくらいだろうか 。雪道が気になるものの、歩けない距離ではないと見る。松前城下にあるらしき (というか目視の判断)バス停「松前役場前」で下車。江差からの料金は2,200円 くらいだった。

  雪の松前城。
  僕の少ない前知識では、日本最北にして北海道唯一の城だったか。「松前藩」 という言葉を知っていたけれど、他に北海道の「××藩」は聞いたことがないか ら、おおむね正しい知識だろう。詳しく知りたい人は自分で調べてください。


  僕は城フェチである。
  正確には古い建築物を観るのが大好きなのだ。フェチといっても、ナメたりモ テあそんだりイジったりペナントを買ったりはしない。建物をナメたら変態だろ う。ペナントももう売っていないだろう。特に詳しい知識を得たいという欲望もなく、ただ眺めて「古いなぁ」と思うのが好きなだけ。

  お城には誰もいない。
  観光客を迎えるムードはない。当たり前だ。まだ冬なのだ。城内は道路以外除 雪すらされていない。20センチくらいの積雪。いまは誰もいないけれど、誰かが 登ったらしき足跡はある。ここまで来て登らずにおられるか、否。そこに城があ るから。

アムンゼンかスコットかヒラリーか

と思いながら雪山登山。

  やはり天守閣までは近づけない。
  完全に閉鎖モードで、4月から一般公開なんていう張り紙がある。たしか、5 月の連休を迎える前に桜が開花して、その季節に(だけ?)有名なお城なのだ。 宿まで歩く。バスから方向を確認しておいたので道に迷うことはなかった。城は ともかく、街中はある程度まで除雪されていたので、それほど厳しい道のりでは なかった。晴れたり雪がチラついたり。


  さて宿だ。
  「じゃらん」で調べたところ、料理がバツグンに旨い(5段階で4.9!)という クチコミだったので、あてこんできたのだ。これだけ田舎にあれば、ボロくても 食事が最高、というのはよくありそうだ。宿についたときに、ご主人らしき人が 、

「魚は好きですか?」

と訊いてくれたのも好感が持てる。期待は高まり、部屋はキッチリとぼろい。海 が見える。天気が良ければ、向こう側に青森県が見えるという。風呂は温泉では なかったが、浴槽がヒバ造りで香りが良かった。泊り客は僕を含めて3組らし い。


  翌朝、僕は「博多」のバス停でバスを待つ。
  時刻表には出ていなかったけれど、木古内行きのバスがここを通る時間を宿の 人に教えてもらったのだ。バス停には小さな小屋があって、吹雪をしのげる。海 も見える。かなり荒れている。10分くらい待っていたけれど、この小屋がなかっ たらかなりきつかったと思われる。無事にバスがやってくる。

  ある集落を過ぎると、海は凪いだ。
  宿の主人が「××を超えると、海が静かになるよ。ここ(松前)は日本海側で 、そこからは海峡側になるから」と言っていた通りだ。わりに親切な人が多い宿ではあったけど、

あれで5段階で4.9ってことはありえない

と思う。刺身はイカ以外は論外だったし、どれもこれも旨いというレベルではな い。毎日のように冷凍食品を食べている人ならうまいのだろうか、くらい。確かにまあ、1泊2食で6,500円というのは安いと思う。リーズナブルさコミで4.9の 評価なんだろうかね。


  バスは1時間20分で、昨日乗り換えた木古内駅に着く。
  10時20分。青森方面八戸行きの特急を待つ。こんな田舎の駅なのに、喫煙所は 屋外にある。待合室と改札は2階にあって、喫煙所は1階(バスロータリー前)にあるのだ。分煙も徹底しているというか、無意味なファッショと言うべきか。 まあ、時代なんだろう。

  昨日に続いて青函トンネルをくぐり、本州に上陸。
  今度は津軽線を制覇するのだ。海峡線の津軽今別駅と津軽線の津軽二股駅は隣 接している。これは時刻表に明記されているし、事前にウィキペディアでも確認 しておいた。徒歩2分くらい。津軽今別駅に止まる函館からの特急は1日に2本 しかない。しかも18分待ちと非常に接続が良いのだ。少々わかりにくいが路線図 は「ここ;別窓」。

  しかし、乗り換え客は僕だけ(・_・;)
  もちろん無人駅。前記のような停車本数が少ない駅のわりに、ホーム上は最低 限の雪かきがなされている。隣接の津軽二股駅の駅員がやっているのだろう。駅 前には大きな広場があり、

北海道新幹線の新駅「奥津軽(仮称)駅予定地」

という看板が出ている。ここが本州最北端の新幹線駅になるのだろう。よくわか らないが、青函トンネルの入り口まで10キロ程度かと思われる。画像は津軽二股 駅のホームから津軽今別駅を見上げたもの。


  津軽二股駅は「道の駅」に隣接している。
  駅前の道はそれほどの広さではないし、この季節だからガラガラだ。それでも 5人くらいの人影がある。どこから来て、どこに行くのだろう。鉄道を利用する のは僕だけらしい。道の駅にはもちろん暖房があるので快適な待ち合わせだ。

  津軽線の列車がやってきた。
  ホームも線路も完全に雪に覆われている。そこに線路があるのだなということ はわかるけど、本当にこの上を鉄道がそのまま通過して大丈夫なのか、というく らいの積雪。たぶん1日に2回くらいは除雪車が通るのだろう。1日に5往復という1流のローカル線で、これもそのうち廃線になるだろう。


  津軽線には死者の気配があった。
  文字通り津軽の最北端を目指すだけあって、雪は深い。乗客は、2両で5人くらいか。どれだけ鉄道の存在意義があるのか怪しい。昨日の木古内より西寄りの江差線がそうであるように、青函トンネルを走る列車と乗り換えられる(蟹田駅 が津軽線の始発)から残っているだけかもしれない。風景的、あるいはテツ的な特筆事項はなかった。

  終点三厩駅で折り返し。
  画像でわかるだろうか。真ん中がホームで、左側が線路。ここまで来るとホー ムの除雪すらされていないのだ。ちなみに、有人駅だった。なかなかの最果てぶ り。

  今度は津軽二股駅を通り過ぎて南下し、蟹田駅13時34分着。
  だって、さっきの津軽二股駅には特急が止まらないんですもの。このあたり、 テツの読者はニヤニヤして読んでいるだろうし、テツにあらざる読者の99%は読んでいないだろう。心配なのは残り1%で、

時刻表の路線図を見ながら固唾を飲んで

読んでいるかと思う。すまない。


  蟹田駅で12分待ち、特急「つがる11号」で北上。
  本日2回目、この旅では3回目の青函トンネル超えである。もうこのあたり、 テツにあらざる読者が万が一読んでいたとしても、

「・・・ってか、この人(信原です)、何をやってるんだろう?」

と思っていることだろう。ふん、おめえっちの知ったことか。テツの楽しみが非テツなんかにわかってたまるか!


  函館15時12分着。
  僕が持つ「青森・函館フリーきっぷ」は函館の北にある森駅まで使うことがで きる。ということは、大沼公園近くを通る函館本線を堪能できる。函館本線には 特急が通る路線と、各駅停車しか走らない支線がある。事実上の「本線」には何度も乗ったことがあるけれど、「支線」は未乗区間だ。今日はここを乗りつぶす 。

  まずは特急「北斗15号」15時23分発で森駅まで一気に。
  このあたり、本線と支線が「8の字」になっている。おおまかに言えば、函館 から見て、「本線」は大沼と駒ケ岳の左側を、「支線」はそれらの左側を抜けていく。文章で表現するのは無理なので、詳しくは「ここ;別窓」を参照してくだ さい。


  どういう事情で「8の字」になったのかハッキリしない。
  大沼より北側にある8の上半分については判明した。駒ケ岳の左側(西麓)を通る「本線」が旧線である。ただ、この線は山の急勾配を登るため、輸送力の障害となっていた。そこで駒ケ岳の右側(東麓)に「支線」が開通した。やや遠回りになるが海岸線近くを走るために勾配は少ない。

  しかしこれは昔話。
  「支線」が開通したのは昭和20年のことで、蒸気機関車の時代である。現代とは輸送力そのものが違いすぎる。ということで現在では「本線」のみ特急列車が走っている。以上は宮脇俊三先生の『最長片道切符の旅』を参考にした。やはり、8の下半分の事情は不明のまま。


  テツにも種類がいろいろあるのは「ここ」のエッセイに詳しい。
  上記のように「実態としての線路建設」に興味を覚える種族もいる。車両でも駅舎でもなく、

線路そのものにアツい思いを寄せる

テツがいるのだ。世の中いろいろである。

  たとえば、東北本線の仙台駅から利府駅まで東北本線の支線が延びている。
  利府駅が終点で、仙台駅からはたったの4駅である。なんでこんな盲腸線があ るのか、あたりは基礎の基礎。利府には車両基地があるからだ。同じ現象は博多南駅(博多駅のとなり)にも見られる。こっちは新幹線の車両基地があり、博多 ・南博多間は

各駅停車扱いで新幹線の車両に乗れる

日本唯一の区間である。このあたり、僕のようなテツ修行やり直しの僕にとっては勉強のしがいがある。賢明なる読者諸氏も、よくよくテツ道に習熟なさいますよう


  さて旅行記に戻る。
  森駅に16時01分に着き、16時22分発の「支線」周り各駅停車に乗る。駒ケ岳を東側から望むのは珍しかったが、それほどの旅情がある区間ではない。20代前半らしきテツがいて、写真を取りまくることしきり。地元の高校生男子が

「あいつ何やってんだ?」

と嘲笑することもしきり。いいじゃぁねえかぁ、撮りテツって人種もいるんだよ 。

  左の画像は流山温泉駅に展示されていた新幹線車両。
  車内から慌てて撮影したもの。昔の東北新幹線だろうか。由来は不明。しかし 、考えてみるまでもなくここは北海道なのだが、どうやってここまで運んだのだ ろう?


☆リラックスタイム★
「だって青函トンネルがあるんだろ」と思っただろう。そりゃそうだ。しかし、現在の青函トンネルの線路は「狭軌」と呼ばれる在来線用のものである。新幹線は「広軌」と呼ばれる(実はこちらが世界標準)線路にあわせたサイズで作られている。すると狭軌の電車の上に新幹線を貨物として乗っけて、北海道に渡したのだろうか。「え、じゃあ狭いトンネルの中をくぐれないじゃん」と思うかも。いやいや、青函トンネルは広軌、つまり新幹線を通す前提で作られているので、線路はともかくトンネルの「幅」としては問題がないのだ。だからやはり上記の推理のように貨物として運ばれたと思われる。「ここんとこ、ぜんぜんリラックスできないんですけど?」だと。書いている俺様がリラックスできるからいいのだよ(^^)


  函館駅の1つ北にある五稜郭駅17時44分着。
  湯の川温泉までタクシーを使う。事前の調べでは、函館駅からタクシーで15分 。市電を使えば安くいけるが、時間が遅いので最初からタクシーを使うつもりだ った。宿のある湯の川温泉を頂点として、函館駅と五稜郭駅が底辺を作る二等辺 三角形であろうという予想。

  タクシーの運ちゃんと話す。
  湯の川温泉への距離は僕の予想通りで、函館駅からでも五稜郭駅からでも変わらないということ。ただ、道路整備の事情からすると函館駅からのほうが早く( つまり安く)着くということ。基本的な読み筋は良かったけれど、結果は負けと いうところか。

  函館のタクシーも4月から禁煙になるという。
  この運ちゃんの会社はすでに「運転手禁煙」になっていて、今度からは世の中 のルールで全面禁煙という運びとか。北海道なんていう田舎(失礼)まで来てこうなのか。訊けば札幌市内のタクシーはすでに全面禁煙だとか。

  20分くらい、2,500円くらいで宿についた。
  たしかに市電の停車場からは徒歩5分くらいの距離で、陽が出ていれば市電で来たいところだった。運ちゃんも

「函館市内は市電が一番便利だし、安いよ」

と言っていた。観光案内を持ってこなかったので、函館市内の位置関係を話題にした。ありがとさん。

(次のその3がラスト)

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