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家探しの詳細 番外編 8月7日
  ここで実録エッセイは一休み。
  ちょっとここで、僕が実際に見聞きした「販売とお金の実情」について書いてみます。ウワサだ伝聞だ言いがかりだ真実突きすぎだウソだ若嫁コナイダと言われそうですが、

「真偽はどうですかね?」

と思いながら読んでみてください。苦情は一切受け付けません。

  僕がマンションを買う過程に入ったのは06年の春です。
  契約したのは同年7月で、入居は07年7月で、このエッセイを書いているのは08年1月です。きっと実情にも変化する部分としない部分があるでしょう。文中の「その×」というリンクは、全て「家探しの詳細」シリーズです。



1、物件が完成する前に完売が目標になっている

  物件なんかゼロの状態で販売が始まります。
  だいたい完成の1〜2年弱前から販売スタート。

つまり実物を見ることはない。

これは昔の人からすると(僕もそうでした)オドロキだけど、イマドキの常識のようです。見るのはモデルルームだけ。あとは図面だの意味不明の書類などで判断します。

  マンションを買うとなると、「壁をコンコン」するようなイメージがありますが、それは完全な時代遅れです。
  モデルルームというのはあくまでモデルで、全て実際と同じ材料を使っているわけではない。たとえば便器とか、調度品なんかは同じだと思われるけど、外壁はただのハリボテ。隣室はないわけですから、コンコンしても意味はないようです。部屋の間の壁もたぶん同じ。

追記:また一方で、07年あたりからは完成後に売る、という方針の物件も増えてきています。


2、そうなると事前の知識が必要

  僕は正直なところ、完全な素人さんでしたね。
  壁や床の厚さとか、素材とか、どのくらいの厚さだとどの程度の防音・防寒なのかとか、前もって調べれば調べるほどいいでしょう。ネット検索でいくらでも見つかります(が、どれが正しいものなのやらという欠点あり)。

  モデルルームの「見えた感じ」は信用しないほうがいいです。
  「その5」で書いたように、オプションで買ったり工事をしたりして、あれだけ見栄えの良いものが出来上がります。そもそも、あんなに生活感のない家ってありませんからね。実際の生活では「古新聞をどこにしまうか」とか、「電化製品のリモコンがあちこちにあって落ち着かない」とかで悩んだりしますから、生活のリアリティの少なさを充分に割り引くべきでしょう。

  しかも、モデルルームはたいてい、その物件で一番か二番目にグレードの高い(つまり広い)部屋です。
  そういう部屋を買うならいいですけど、

自分が買う物件との差を図面でよくよく見ること

をオススメします。極端な話、キッチンの横幅を図面で計算して、モデルルームでも実測する、くらいのことをやったほうがいいです。「マンションのモデルルームの信頼度は見た目が2割」くらいです。


3、事前の知識で業者と戦う

  改めて確認しますと、実際の物件がまだないわけですよ。
  僕の場合なんか、入居の1年前に仮契約したとき、僕の部屋はまだ空(そら)でした。まだ基礎工事中で、鉄筋もそこまで伸びていないわけです。だから頼りになるのは事前の知識。

  モデルルームでの商談でネホーリハホーリ質問しましょう。
  対応する社員には明らかにグレードがあります。専門的なところをしつこく質問すると、もっと偉い社員に担当が代わります。僕の場合はたまたま役職が上の人でしたから良かったんですけど、社員がシドロモドロになっている現場もけっこう見られました。

  お金の話はキッチリと説明してくれるようです。
  本体価格以外、いわゆる「諸費用」です。ところで、

定義をちゃんと言えますか?

曖昧だから「諸」費用なんでしょうけど。もう正確に覚えていないのですが、思いつくかぎり列挙します。

・管理準備費
・初回管理費
・修繕積立基金
・初回修繕積立費
・印紙代
・登記手続き料金
・団体信用生命保険料(ローン途中で死亡した場合に備えるもので、ローンを組むときは必須らしい)

など。名称は異なるかしれませんが、全て前もって教えてくれるでしょう。

  問題は、こっちに前知識がないとアタマに入らないこと。
  できる限り前もって知っておきたいものです。よく「物件価格の10〜15%が諸費用」なんて言われていますが、あれは目安に過ぎないです。僕も「その6」でそう書いたのですが、今になって計算したら全然違ってました。この話題は本エッセイの6に続きます。


4、完売できるかどうか

  物件完成前に売る場合、これが業者の目標になるそうです。
  第1期分譲・第2期分譲・・・と何段階かに分けて売るようです。遅くなるほど不利というわけではないようです(選択肢は減りますが)。完売が目標なので、タイプの違う部屋を程よく残しておいて、バランスよく売っていきたいというのが業者の本音の様子。

  どのあたりから売れ残りか。
  07年から08年にかけて少し事情は変わってきたようで(売り渋りの問題は置いておくとして)、すでに入居者がいるのに今は第3期、なんていうこともあるようです。意図的なものかどうかは不明。

  そこが気になる、と言われそうですね。
  そこで目安になるのは、「安売り」の有無ではないかと。大まかに言えば3段階ですね。モデルルーム来場者にプレゼント、契約者にモノをプレゼント、最後が物件価格そのものの値下げ。

  来場者プレゼントの段階は、まだ可愛いものです。
  契約者に「××をプレゼント」くらいでも、まだ可愛いの範囲内でしょうか。浄水器とか照明器具をつけてくれるとかね。最後の値段そのもののディスカウントは、「これは完売できないかも・・・」という危険なペースになっているからでしょうか(それはそれでお買い得とは言えそうだけど)。マンションってすごく高価なものだから、売れ残りが出ました残念でしたってわけにはいかない。

  最後の値段のディスカウント段階では「××万円をプレゼント」というのもあります。
  業者は真っ青になっているはずです。値引きですらないのは、たぶん売主が業者に委託販売しているからでしょうね。

委託販売している業者が身銭を切るという展開

です。そもそも、売り手が買い手に現金をくれるって、おかしいでしょ?

  つまり大切なのは、おそらくですが、以下の通りです。
  1つの物件を販売開始時点から注目すること。僕はたまたま第1期で購入を決めたのですが、その後もチラシやネットを見守っていると様子がよくわかります。ああこのタイプの部屋は売れ残っているのか、あれ、いい部屋が残っているのにチラシに出てないとか。1つの物件をどれだけ長い期間にわたって検討するか、が大事でしょう。


5、完売できないと・・・

  「1」で書いたように、完売目標があって当然です。
  で、やばー(@_@)となってプレゼントや値引きをしますよね。これは先に買った人にとっては頂けない。気分的に面白くないとか、先に買って損した、なんてことじゃないですよ。ええ、カドが立つことを書きましょう。

安売り物件を求める人があなたの隣人になります。

わかりますよね。ハッキリとは書きませんよ、書けませんよ、あたし実名で書いているんですから。想像してください。

  物件の値段そのものは、その住民の質を決めます。
  これはハッキリしていることです。しょうがないです。貧富の差も、それによるヒエラルキーも、ちゃんと日本には存在しているんです。たとえば僕のマンションの駐車場を見てますと、外車なんかほとんどないです。95%は国産車。ちょっとヤンキー入っているかな、というクルマは5%くらいですか。古い車はあってもオンボロ車はないですね。

  ですから、やはり

自分の収入に見合った物件を狙うべき

です。
  あなたが年収400万で、駐車場の半分は外車だったら、そりゃあ肩身が狭いですよ。金持ちは普通の人を見下しますし、貧乏人は普通の人に嫉妬をします(俺の愛車は自転車だぜベイビー)。そういう意味で、「値下げ」物件というのは総合的にはパスかと考えます。もちろん、「隣人なんかオレには関係ねぇ」という人は問題ありません。


6、タイプ別の値段

  想像ですから、と断っておきます。
  売れている物件は、ネットやチラシで値段を公表していませんね。

やばいぞー売れてないぞ〜という物件はガンガン公表

します。但し、最近はやりの「郊外型」は別かも。JRで乗りかえて私鉄で15分そこからバスで8分さらに徒歩3分みたいな奴ね。あれは住環境重視ということもあるのでしょうか。

  そのたぐいの「公表値段」はまさに最低価格です。
  よく「2,640〜5,180万」とかありますよね。何も知らないと「そんなに違うのかよ」と思うでしょう。最低価格は、一番人気のない部屋の最下階の値段です。北向きの2階とかね。忍者が毎日ドロボーにやってきます。

  逆に言えば、その値段でそのマンションの住人にもなれるということにもなります。
  僕は気にしませんが、家を買うときに「物件のステータス」を大事にする人もいるでしょう。これはさっきの「5」の問題に戻ります。

  部屋の方角、タイプ、広さで値段が異なるわけですね。
  よほど広さに差がなければ、重点はタイプ(間取り)と方角にあるみたいです。これはどこの物件でも同じ傾向。広さの話は「8」に続きます。

  階数でも値段が異なります。
  1つ上の階だと、1〜1.5%くらい高いのかな? 多少の差はあるでしょう。でも金額が大きいだけに、これはよく考えるべきかも。同じタイプが2階から12階まであるとして(1階は庭付きで別設定が多い)、真ん中の7階が3,000万だとしたら。1%の差で計算しても、2階は2,850万、12階は3,150万ですか。ローンを考えると、300万はかなりの違いになります。お金の話は「7」に続きます。


7、ロコツにお金の問題

  ローンで買うのが普通でしょうか。
  まず、本体価格以外は全部キャッシュになるはずですので、そこんとこ確認をよろしく。本体価格の1割が最低の頭金というのが相場(頭金なし物件もたくさんありますが)ですから、かなりの現金が必要です。

  どのくらいでしょうか。
  物件価格3,000万円としましょう。3で挙げた諸費用で仮に物件価格の10%として、300万。頭金1割で300万。これで終わりじゃないです。「その5」で挙げたオプションで、まあ50万は行きますね。「その6」で挙げたオプション(カーテンや家具など後付けのモノ)もあります。これも50万はかるーくかかります。

  これだけで700万も必要です。
  あの、引越し代とか、当日の掃除用品(ゴミ袋など)とか入れてませんからね。僕はオプション関係の費用をなめてかかっていて、失敗しました。さっきの「物件価格の10〜15%が諸費用」というのを鵜呑みにしたのがいけないのです。自分が追加して買う品物は「諸費用」にカウントされない。

  アバウトに言ってしまえば、

「物件価格の20〜25%が現金で必要(諸費用コミ)」

としても良いのでは。
  物件価格の大きさに目が取られてしまいますが、モロモロの費用がすごく高いんです、現金で払うとなると。そりゃね、オプションとか節約することはできますよ。でもですねえ、せっかくの新居でカーテンや照明を新しくしたいって、普通の人情ですよね。気をつけてください。


8、さらにお金の問題

  気をつけて欲しいのは、部屋の広さが今後かかるお金に関係することです。
  物件価格だけじゃないんですよ。たぶん物件差がありますが、僕の場合は、管理準備費・初回管理費・修繕積立基金・初回修繕積立費が該当しました。これらは、部屋の広さで値段が違うのです!

  気がつかなかった・・・。
  さらに、固定資産税も広さで決まります。広いほど高いんです(当然だ)。そのマンションを売らない限り、一生払う税金(だったと思う)です。1年分に、所有する予定の年数をかけて計算しましょう。僕は恐ろしくて計算していません。こえー。

  なお、バルコニー部分は共有区域とされ、自分の部屋の広さにはカウントされません。
  これは盲点かも。だから「布団を欄干に干すな」とか「物置とか置くな」とか「人が通れる空間を残せ」とか言われるわけです。庭も共有区域扱いだったけど、使用料を取るところがあるので要確認。玄関前にポーチ(アルコープとも)付きのマンションってのもありますよね。あれはどっちなのかなあ、共有か私有か。とにかく、上記のように

広さで税金ほかモロモロが変わってきます

から、ご確認を。

  ああ忘れていた。
  火災保険ね。これも最初に現金で必要です。3の諸費用に含まれるのかな。やはり広さで保険代が決まります(たしか、ね)。地震保険はぐっと値段が高いです。火災が1、地震が4くらいのイメージだったかな。

  僕はイチカバチカ地震保険に加入しませんでした。
  さすがに倒壊はないでしょうし。しかし問題は、よく語られているように「火災保険は地震を原因とする火災に適用されない」ことです。地震も怖いがその後の火事も怖い、というのは保険というシステムにも当てはまるわけですね。これは生き方の問題ですが、とにかく初期費用ですから忘れずに。


9、最後まで金なのか

  さあこれだけお金がかかって、やっとローンです。
  読者が何人残っているのでしょうか。よく「フラット35でラクラク返済! 頭金不要! 現在の賃貸の家賃と比べてください!」って広告ありますよね。賃貸マンションの郵便受けに入るチラシにありがち。そのローンに行くまでが大変なんだっての。

  まあここで「頭金をできるだけ多く」なんて書いても意味がないでしょう。
  そんなことは誰でもわかります。僕の失敗体験は、上記の初期費用のヨミが甘すぎたことです。頭金の清算は引渡し直前です。つまりそれまでに初期費用を全て払っておく必要があります。

  特にオプションの料金ね。
  先の試算だと100万です。僕は和室を洋室に変更というのも依頼しました(40万弱)ので、この支払いが大変。しつこいようですが、「3」で挙げた諸費用ってのは、このオプションを含んでいませんからね。

  さあもうすぐ入居だ。
  内覧会も済んだ、引越しまであと1ヶ月もないぞう。新居ライフがもうすぐ始まります。新しい人生のスタート! というときに、

もうこっちはお財布カラカラ

なんですよ。金ないっちゃー!


10、まとめ

  とにかく予習しましょう。
  今こうして書いてみると、昔の僕はこれらの記述全体の7割くらいを知らなかったし、同じく全体の4割くらいを意識内に置いておかなかったとわかります。物件価格が一番目に付くからこそ、それ以外を細かく勉強しておくといいです。


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