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前記:2009年10月の記録。
JR東日本が発売する『土日きっぷ』。
同社管轄の南半分(東北は仙台あたり、北は新潟あたり、西は長野あたりまで
)の全線が乗り放題というステキな切符だ。名前のとおり
利用期間は土日のみ(販売は出発前日まで)
で、東海道新幹線をのぞく全ての特急・急行にも乗車できる。指定席の指定は4
回まで。お値段は15,000円。テツならずとも、一度は利用したい格安切符である
。乗るべし、乗れる限界まで乗るべし。
東京駅6時8分発「とき301」号。
いろいろ考えたが、後述のスケジュールのために長野新幹線にはならなかった
。詳細の検討はしていないが、その気になれば1日で
長野・新潟・東北新幹線全線制覇
も可能なはずである。なお、このエッセイでの「全線」はこの『土日きっぷ』の
使用可能範囲に限定する。おそらく、
東京→長野→新潟→大宮→仙台
というルートになろう。
「え、仙台じゃなくて古川だろ北限は」
なんて言うヲタクは無視。そこまで書いてたら一般の読者が大変なの。このエッセイは全国民テツ化推進が目的なんだから、ハードルは低めに。山形新幹線を入れての1日完全制覇はどうだろうか。やや難しいと見ているが、興味のある人は
調べてみてください(文末に追記あり)。
「とき」はガラガラだった。
乗車率は15%くらいで、指定席を取る意味はなかった。新潟着8時16分で白新線に乗り換え。新潟から秋田方面に行くメインアクセスは「いなほ号」のようだ
。乗り換え案内が実にわかりやすかった。ま、秋田まで行く人は初めから秋田新幹線を使うのだが・・・・。
新潟発8時34分。
「いなほ1号」はこれまたガラガラ。9時13分に坂町に着き、米坂線に乗り換
え。同じ白新線経由で追いかけてくる「快速べにばな」は、新潟発8時39分だっ
た。
「いなほ1号」
新潟発8時34分→坂町着9時13分(→秋田方面)
「快速べにばな」
新潟発8時39分→坂町着9時30分(→米沢方面)
「だったら初めから、そっちの快速に乗ればいいじゃないか、乗り換える意味ないじゃないか」
だと? 可能なかぎり乗る本数を多くするのがテツなの! 乗り換えてこそテツなの! 面倒くさがってる場合じゃないのッ!(詳しくはここのエッセイを参照
)
坂町発9時33分。
ここから久しぶりの米坂線。実車経験があるのは確かなのだが、車窓風景などの詳細をまったく覚えていない。坂町と米沢という、どちらもそれほどメジャー
ではない駅を結ぶこともあり、乗車機会に恵まれにくい路線である。ちなみに、
坂町と米沢をむすぶ列車は1日に上下5本
である。営業キロで90キロもある長距離ローカル線だが、ダイヤが薄いわけだ。
☆テツ用語解説はじまり★
「ダイヤが薄い」
→その区間を走る電車(列車)の数が少ないこと。山手線などが「ダイヤが濃い
」路線の典型。濃い・薄いで表記するのは、もともとのダイヤグラムは、縦軸を駅、横軸を時間で示すもので、運行本数が多いほど斜めの線(=その電車の運行
状況)が増えるから。
★テツ用語解説おわり☆
米坂線はおもしろくなかった。
あいまいな山あいを抜けていくばかりで、見どころがなかった。以前に乗った
のが15年以上前だということもあるが、なるほど印象が残らないはずである。米沢まで20分ほどの駅から、
米沢の町に繰り出す中学生
で混雑したことだけ覚えている。米沢着11時31分。
次の目的地は福島である。
奥羽本線の上りということになる。急ぐなら米沢12時40分発「つばさ114号」だが、後述の事情でそれには乗らず。ここで昼食。駅から徒歩3分ほどの料理店に入る。米沢といえば米沢牛。昼間からステーキだのすき焼きだのは重いから、牛鍋定食2,000円。生ビール500円。なかなか旨かった。
米沢駅に戻る。
次に乗るのは13時10分発で、まだ50分ほど時間がある。米沢の街は駅から歩い
て20分ほどだから、観光をする余裕はない。駅で時間を潰す。大河ドラマ関係の宣伝がかまびすしい。駅の構内にあったのが左の写真。直江兼続さんである。体長3メートルくらい。怖すぎ・・・。
米沢始発の各駅停車福島行き。
2両編成ということもあって混んでいる。4人がけのボックスシートが基本で
、一部に2人がけのシートもある。一人旅なのでそこに座る。福島まで距離も短いし、ここで充分。
「なんでさっき新幹線に乗らなかったの?」
米沢から福島までのこの区間、スイッチバック駅があったはずなのだ。
スイッチバックは鉄道の華、テツの萌え。簡単に言えば、
鉄道線路が直線的に急勾配を登れないとき、高度を少しずつ上げるために用いら
れるZ文字のような線路の引き方
である。もちろん、新幹線はおろか、ふつうの特急電車なども通過するのが普通
だ。各駅停車に乗ってこそ味わえる。
福島着13時56分。
あの、スイッチバックなかったです・・・。もう廃止されちゃったんだろうか
。途中駅には半地下になっているようなところもあって、地形的にも不自然なところがあったから、たぶん廃止されたんだろう。鉄道に乗っていて悲しいのは、
いちど失われたシステムは2度と復活しない
ことである。(なお、スイッチバックに関してはここのサイトを参照。赤岩駅、
板谷駅、峠駅、大沢駅は1990年にスイッチバックが消えたようだ)
福島14時12分発「やまびこ53号」。
今度は北上する。東北新幹線は、なんといっても仙台駅がメインなので座れるかなどうかなと思う。が、考えるまでもなく仙台までは20分程度だ。新幹線の強みは、
このような中距離をつなぐとき
に最も発揮されると思う。他の例は、東京→宇都宮・高崎・小田原など。結果的には座れた。
仙台14時33分着。
今度は仙山線である。名前のとおり仙台と山形をつなぐ準ローカル線だ。いちおうは4人がけシートが基本だが、濃厚なローカル線の色はない。14時44分発。
最初の20分ほどは仙台近郊と思われる地域を走る。沿線のアパートの室内が見える。車窓から
布団の中で話しているカップルの姿
をのぞくことができた。のどかなものである。
山形16時5分着。
新幹線の開通で、かなり大きな駅になっている。駅前に出てバス停を探す。蔵王温泉行きはバスの営業所で切符を買うシステムらしい。乗り場を確認してから
、バスターミナル(BT)のハズレで煙草を吸う。
山形駅16時20分発。
バスは最初の20分ほど山形市内の街を走る。いつになったら山間部に入るのかなと不安になったあたりで、ちゃんと勾配を上り始める。だんだんと高度は上がり、市街を見下ろすようになり、人の気配が薄くなったあたりで蔵王温泉BT16
時57分着。最初20人ほどだった乗客は、僕をふくめて5人になっていた。
知らない町の知らない温泉街。
僕が目指す『高砂屋旅館』はBTから徒歩3分。その存在を左手に確認してから、徒歩20秒ほどの町営浴場を視察しておく。銭湯というよりも、あくまで浴場
に過ぎない、といった印象。とって返して旅館の玄関の戸を引く。おかみさんの第一声は、
「あれ、いま通りすぎなかった?」
というもの。ええ、お風呂を見てきましたと答えた。バスの到着時間を知らせて
おいたので、様子を伺っていたのだろう。そういう鄙びた温泉街である。
追記:後日に調べてみたら、東京→古川→新庄→大宮→新潟→長野→東京の順で
可能と判明。これで1日とは。実車しているテツが山ほどいるだろう。
さらに後日追記:この切符は2010年3月に廃止になった。上記のようなテツが荒らしたから、かどうかは知らない。リニューアルされたのが「ウイークエンドパス」(くわしくはここ別窓)。値下げした代わりに「乗車券のみ」の扱いで、どっちが良かったかは難しい。いや、「土日きっぷ」を体験できて良かった、と考えるのがテツの思考法であろう。
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