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カオスとオーダー |
6月29日 |
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引越し目前。
それ自体は読者様にとってはどうでもいいのだが、問題は日記。ウェブ環境は
明日30日で廃止され、新居では理論上は7月1日に開設される。しかしもちろん
、当日に環境設定ができるはずもない。ウェブに接続するまでに難航することが
予想されている。
従って、日記は7月1日分から掲示板「鯨の家」に掲載します。
年に数回の旅行時と同じで掲示板にはケータイで書けるし、環境さえ揃えばい
つでも再開できます。それ以前にやるべきことが多すぎるので、とりあえずの処
置と考えていただければ幸いです。ちなみに明日6月30日分はくじらくんに依頼
します。ではいつもの日記へ。
12時に消灯したものの、眠れず。
暑さと湿気もさることながら、どうも酒が足りなかったようである。一般に「
就寝前の酒は眠りを浅くする」とされていて、それは認めてもいいけれど、僕の
場合は寝つきが悪くなってしまう。昨晩の飲酒量は
ビール700ML
日本酒1合弱
ワイングラス33%
泡盛コップ33%
くらいだった。時間をかけて飲んだこともあるが、これでは酔えない。
3度ほど起きだして、そのたびに本を読んで、本当に眠れたのは3時くらいな
んじゃないか。ということで読書の話から。
『世界一旨い日本酒』古川修を読了。
日本酒は冷やすのではなく燗にして飲めば世界で一番旨い酒だ(ヒマな人はこ
このエッセイを参照)、しかも本当に旨い日本酒は常温で保存することで味が良
くなるのだ、ということを主張する本。
どの温度で呑むか、地酒ブームは何が悪かったのか、本物の酒を造っている蔵
元の努力はどういうものか(これはありがち)、どの店でどういう酒が呑めるか
など、酒を飲まない人には面白くともなんともない内容である。しかし僕は日本
酒が好きなので個人的に良書。
酒の話は個人的な好みに左右されることがほとんどなので、何もかもを鵜呑み
にする必要はない。
筆者は吟醸香のあるフルーティーな日本酒(たいていは冷して呑む)が好みで
ないようで、熱燗を本線に楽しんでいる、くらいの理解で読めばいいだろう。し
かしそれにしても、いくら「ちゃんと造られた酒なら」と条件がついているにし
ても、常温保存で味が良くなるというのは本当なのだろうか。試してみなければ
わからないし、試してみたところで「好みの問題」で片付けてしまう人も多いだ
ろう。
なお、この手の酒に関するウンチク本というのは数が多い。
僕はあまり読んだことがないけれど、「まあこういう意見もあるだろうな」く
らいで読めばおおむね楽しめるのではないだろうか。真剣に論じるようなことで
もないし、もし可能なら同じ酒好きの友人と
「あの本に書いてあったあれはさあ・・・」
くらいでネタにして楽しめれば最高だろう、くらいに考えてみたい。そ
れにしても、日本酒も種類が多くて、知っている酒の名前すらほとんど出てこな
かったよ。
8時半起床。
まだ眠いのだが用事が目白押し。慌てて朝食。食パンを食べきった。荷造り少
々。上の感想文をコーヒーを飲みつつ書いて(昨日と同じ展開だなこのヘン)、
整骨院へ。
バタバタと帰宅してから再び外出。
都心へ。カギの引渡し会。そんなん現地でやれよと思うけど、世間はそうでも
ないのかも。最寄り駅で降りてオニギリを2つ買う。380円。高いよ。公園のよう
なところでお昼代わりに食べる。異常に蒸し暑い。
20分くらい早く会場に着いたので、一服つけようかと喫煙所の場所を尋ねる。
ビルの外は当然として、外に出てから徒歩2分くらいにあるらしい。巨大なビ
ルなんだからどこかに喫煙所くらい設けても良いような気もする。会場を出て15分探し回ったが見当たらず。ビルの外に出ても灰皿1つ見つからず。ビル内の喫
茶店まで禁煙。うーむ。交通渋滞でこんなに空気の良い大都会でね。
ハンコ押したり住所書いたり。
いやはやどこまで続くのか。しかしこれで鍵を入手したから、この手の宗教的
集会は最後のはず。1時間足らずで終わって千葉へ戻る。帰りの車内にはサラリ
ーマンのおっさんたちの体臭が立ち込めている。臭いよおっさん。クールビズな
んていう中途半端はやめて、沖縄のように「かりゆしウェア」を正装にすればい
いのではないか。営業系のサラリーマンはきついだろう。
環境負荷を考えた国づくりが必要なはずで、日本はそれだ
け成熟した社会のはず。
人々はホリエモン(古いなあ)のTシャツ姿に対して不愉快な気持ちになっているのではな
い。彼の言動や思想が気に入らないだけで、後付(あとづけ)で「そもそもその
格好は・・・」と言っているだけだ。環境問題に配慮すれば、クールビズ(及び
そのファッション)なんてレベルが低すぎると思うがいかがか?
寿司弁当を買って冷蔵庫へ放り込み、洗濯機を回し、室内干しをして、サウナ
へ。
スポーツクラブ退会。7年と1ヶ月の付き合いだった。あまり良い店ではなか
ったが、とにかく近くて良かった。何しろ徒歩1分。泳がなくても、今日のよう
に風呂代わりに利用できた。ありがとう。
寿司弁当を食べてから市川校へ。
ちょうど雨が降り出した。湿度が高く、気温も高い。95%と27℃くらいだろう
。計算式は忘れたが、不快指数は100に近いはず。授業は順調・・・でもなくて、
何となく生徒様のモッサリした雰囲気が漂っている。まあこの天気だし、期末試
験も近いからそうかもね、とキレたりはせず。
雨が止んだ。
帰宅。食材及び調理器具が絶滅寸前なので弁当屋さんでお惣菜を買う。北海道
男爵牛肉コロッケとか(牛肉?)、大根と梅シソのさっぱりサラダとか。オリジ
ン弁当の強烈な革命のせいで、どの店でもお惣菜の品揃えが良くなった。僕が高
校生のころは「ポテサラ120円」くらいしかなかったんだけど。
そして、これらがまずい。
と書ければいいのだが、イヤに旨いのが悔しい。いい仕事してますねぇ、とい
うくらい。もちろん化学調味料ドサドサなのだろうが、下手な料理屋さんより旨
い。値段も安いし(5品買って600円くらいだった)便利だ。こういうものを食べ
ていれば人間は腐るだろうが。
ビール2缶。
汗ダラダラでいやにビールが旨い。のちに日本酒1合ちょっとくらい。呑みな
がらこの日記を書き、再び洗濯機を回している。明朝に取り外しの作業があるの
で、今やらないと次は4日後くらいになってしまうから。まだ日付が変わる前で
、洗濯物が仕上がるのと将棋の名人戦のTV番組を待っている。料理をしないと
夜が長くなるような感じ。
村上春樹の小説に『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』がある
。
「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公である「私」は、その物語の最
後にこの世界を去ることになる。「世界の終わり」に行くことを義務づけられ、
それを承諾したのだ。
その最後のシーンは、「私」が全ての持ち物を焼き捨て、今の人生を終わりに
するものだ。
何しろ全てはダンボール箱に詰められてしまったので正確な記憶はない。でも
、もうこの世界にいなくなるからもう何も必要ないとして全てを捨てた「私」の
様子が丁寧に描かれていたことを覚えている。たしか、晴れた午後の公園で「私
」はその人生を終えていたはずだ。
今の僕は色々なものを捨てて、必要のあるものさえダンボール箱に入れて、何
もないままにこの日記を書いている。
このパソコンも日記をアップしたら電源を落とす。今朝方まで混とん(カオス
)としていた部屋は、この時間になればある種の秩序(オーダー)をもっている
。きっと明日から、あるいは明後日から新しい人生になるんだなと大げさに考え
ている。
積み上げてきたものを捨てて、しかし何もかもを捨てきれずに次の場所に僕は
移動していく。割に難しい件名と日記だった。では。
追記:エッセイ262「村上春樹その7」、同263「テツわる山陰編その1」をアッ
プしました。
追記2:森内先生、第18世名人の権利獲得。おめでとう。
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