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偏差値換算 |
9月15日 |
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紙の散らかった部屋で、彼と僕は掃除をしていた。
掃除といっても、紙を破り捨てる作業の繰り返しだ。彼は1冊のノートを手に
取り、中身を確認したうえで破り捨てる。おいちょっと待って、それは大事なも
のかもしれないよと僕が破られた紙片を奪い返す。それは僕の家計簿だった。い
や、そんなに大切なものではないけれど・・・。
あっ。それはダメだ。
彼が今まさに破こうとしているのは、僕がみた夢の内容を記した紙だった。そ
れはないよ、お金も家計簿も取り返せるけど、夢は取り返せないんだぞ、記録し
ておかなければいけないんだ。そう思った瞬間に目が覚めた。
9時起床、晴れ。
さくり朝食を済ませ、やおら洗濯物を干し、イキオイにのって布団を干す。そ
んなに大事か。恒例の朝の読書。小学生か。
『ボナンザVS勝負脳』保木邦仁・渡辺明を読了。
化学者である保木が作った将棋ソフト「ボナンザ」と、現竜王である渡辺明が
対局したのは2007年3月21日。
結果は渡辺の勝ち。公式の場所におけるプロ棋士と将棋ソフトの対局は禁止さ
れていて、その初めての例外がこの対局である。その後日譚。良書。
情報の伝播にはいろいろな形がある。
我々一般の人々は全てのニュースの現場に触れるわけにはいかないから、メデ
ィアを通してニュースを得る。速報性で勝るのがテレビとラジオ。その次に来る
のはインターネット。1日ちかいタイムラグをおいてやってくるのが新聞で、数
週間もたてば雑誌が追いついてくる。もちろん憶測などで情報の純粋性は怪しく
なってくるけれど、このあたりでニュースが過去にあった事実、大げさに言えば
歴史の一部になり始める。
最強の将棋ソフトと言われる「ボナンザ」を作った保木は将棋のルールはわか
るという程度の棋力。
先に触れたように、保木は化学者であり、人工知能の専門家というわけではな
い。この事実自体が一般の人々にはわかりにくいだろう。どういう事情で「ボナ
ンザ」が開発されたのか、どうして負けたのか、これから勝てるようになるのか
を保木は論じている。
一方、僕も何度か紹介したように渡辺は新世代のトッププロである。
かなり早い時期にブログを始めた将棋棋士の1人であり、この対局の様子と棋
譜の一部を翌日にアップしている(そのエントリーはここ)。やや苦戦するとこ
ろもあったが、結果的には「人間」が勝ったというニュースは人々を安心させた
ことだろう。本書では、人間とコンピューターの思考法の違いを中心に渡辺は語
っている。
賛否も異論もあろうが、とりあえず現時点で情報の伝播の終着点が書籍である
。
この対局の様子はTVでも放映された。たしか1週間後くらいだったと思うが
、NHKのBS2では2時間近い特集番組が組まれた。それらの番組を観た人は
多くはないだろうが、「(とりあえず)人間はコンピューターに将棋で勝てた」
というニュースに触れた人は多いだろう。
本書は対局が行われてから5ヶ月ほどで出版された。
それによってこの対局の歴史的な位置づけが決まったと言えるわけではないが
(それはもっと先の話だ)、事実があってから少し時間を離れて(つまり場所か
らも離れて)この対局が当事者によって論じられたわけである。書籍という形に
なったことで、この事実を検証することができるようになった。そういう意味で
の良書。
将棋のルールが全くわからなくても読むことができるので、立ち読みでもいか
がかな。オススメ偏差値は62くらい。
お昼前からHPの作業。
やたらと暑い。真夏日になりそうですという天気予報。お昼過ぎの第1回昼食
はソーメン。ソーメンが夏に好まれるのは、冷たさというよりも作る手軽さだろ
う。乾麺で茹で時間が2分程度なんていう麺類は他にないからね。卵焼きとノリ
とネギとゴマを具にする。うまー。偏差値は57。
アイロンをかけてからキッチンの掃除。
食器を乾かす容器の汚れが気になっていた。もちろん毎日のように「ざっと洗
い」はしているけれど、水場なのでどうしても水垢がたまってしまうのだ。古い
歯ブラシで丁寧に洗って、バルコニーに干す。今月の2日に植え替えたフリージ
アの鉢から新芽が出ていた。やっぱり2週間くらいかかるものなんだろうか。
汗をかいたのでシャワーを浴びる。
それにしても暑いな。暑さ寒さも彼岸までというのに、どうなっているのだ。
ああそうかまだお彼岸が来ていないのかと独り言を楽しみつつ(根暗)、クーラ
ーをつける。午後はエッセイ書きや予習など、地味に過ごす。
出勤前にちょいと外出。
2回目の昼食は味噌ラーメン。意外に旨かった。いくつかの味噌を混ぜているようで、山菜の和え物なぞも入っていて、同時にいろいろな味がする。ラーメン界では邪道なのかしら。半年に
1回くらいは使おう。偏差値59か。飲食店の多い街で良かった。はい、やっと仕事です。
Lクラス。
直前講習の宣伝も含めて、「発音アクセントが合否を分ける」大学の話など。
配点がわからないから予測でしかないのだが、その大学で決め手になるのは発ア
クしかないというお話。実際に過去問を演習してもらい、指名して得点率を出し
てみて、ほらそうでしょ、という出来レースのような次第。その真偽は微妙なと
ころであるのは否定しないが、宣伝というのはそういうものだ。王道も本道も大
切だが、全ての受験生が歩ける道とは限らない。
授業後にスタッフと話す。
1月7日からの講習V期の受講誘導と、センター攻略ゼミの宣伝(市進生ここ
)などを依頼される。なかなか難しいんですよ、それが。
V期は受験直前になるので、翌日に入試があるなんていう場合もあり、受験日
程との兼ね合いがある。
商売としてはプッシュするべきではあるけれど、いくら何でも「その翌日が入
試」という講座を取らせるべきではない。また同時に、「直前だから自分の勉強
を」などと考える生徒様には考えを改めて貰う必要がある。受講することだって
「自分の勉強」であるからだ。
むしろ、独りよがりの自己満足な自宅勉強よりは、講師の誘導がある勉強のほ
うが受験的にお得なことが多い。
受験本番まで1週間程度の時期であるからこそ、非常に高価な受講料と、何よ
り大事な時間を払うことで得られるものがある。だからと言ってやたらと多くの
講座を取らせるべきではないという良心も僕に働く。受かるために、僕からすれ
ば受からせるために、何が必要で何が不要かを見極めるのは非常に難しいことだ
。偏差値71くらい。
夕飯は昨日のムニエルを温めなおしたものなど。
この手の料理は出来立てが原則だが、独り暮らしとはこういうものである。生
き返らせる方法は、かんきつ類の汁をかけること。今日はカボスを絞って対応し
た。これで偏差値52くらいには復活できる。読解難易度は偏差値54くらいの日記
であった。
追記:エッセイ271「手話はつらいよ」をアップしました。
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