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洗いざらいを話してしまえば |
5月5日 |
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7時40分起床。
めずらしく目覚まし時計で起きた。6時間睡眠でもスッキリした。昨晩、この
連休に読もうとしていた本を予定通りに読み終えたことがあるのかも。
『1Q84 Book3』村上春樹を読了。
圧倒的ともいえる稠密さを誇った前2冊には劣る。
この3冊目がないと物語としての完結性がなくなってしまうけれど、それも春
樹が意図したことだと好意的に見たい。本書もベストセラーになっているし、未
読の人も多いだろうから、ネタバレのないように軽く感想文を書く。
問題が何も解決されなかった。
1Q84年という向こう側の世界にあった諸問題だ。あれだけたくさんの問題
点を提示しておいたのに、「ではどうするのか(どうしたいのか)」という著者
の視点は出てこなかった。前2冊は、70年代から80年代にかけて人間が造ってき
た問題たちが90年代以降に花を開いて、
それらをどうやって解決していこうか
という問いかけであった(と僕は感じた)のに、問題点は1Q84年に置き去り
にされたまま物語はBook3で終わった。それだけ、提起された問題が大きかった
ということだ。
ハッキリしていることがある。
この小説は、次のBook4で完結する。今のところ、Book3で終わりという告知
も、Book4が出るという告知もない。ただ、これだけの長編となると、そして何
より村上春樹という偉大な著者となれば、
ただ物語が終わればそれでよし
ということにはならない。僕はそう考える。15年前の『ねじまき鳥』のときと違
って、今の春樹は回答を用意できているはずだ。まあ、仮にBook4が出るとして
も数年はかかるだろうし、万人が納得できる「回答」ではないだろうが。
ところで、僕が日記に書いた予想はほとんど的中したと思う。
以下のリンクは結果的にネタバレになるのでそのつもりで。前2冊では問題が
解決していないことは2010年4月30日。首都高3号線が「Q」の出入り口になっ
ていることは2009年8月7日。2つ目の月が消えなければ物語は終わらないとし
たのは2010年4月25日。僕が初めて春樹を読んだのは17歳のときで、
読み続けて20年以上になる
が、結末の予想が(ある程度)当たったのは初めてかもしれない。
最後に、何がいいかって脇役だね。
タマルさん、本当にかっこよかった。エレガントともいえる彼の暴力性にふる
えた。牛河、あんたがもう1度出てくるからには、こうなるしかなかったんだ。
タマルが「小説作法だってずいぶん変化した」と言ったのは、そういうことだっ
たのだろう。
洗いざらいを話してしまえば、罪が消えるというものではない。
ただし、牛河はこちらの世界ではまだ・・・あ、これはネタバレだ。結論として
、不満はあるにしろ良い小説だ。ぜひ読んでみてください。
朝食を終えてすぐに出勤。
ウナギ屋も多角経営。お昼過ぎに解放されて、出先で中華料理店に入る。危惧
したようにファミリーで混雑していて閉口した。ベビーカーの赤ちゃんは泣く、
5歳児は店内を走り回る、母親は大声で注意する、祖母は
ここぞとばかりに赤ん坊をあやす、
という喧騒。空腹だったし、選択肢を検討する余裕もなかったら仕方がない。赤
ちゃんは泣くものだし。
帰宅してウナギ関係の仕事。
就業時間中にはどうしてもできなくて、残業もしたくないし、こうして家でじっ
くり集中してやるべき内容だった。連休前のドタバタでわかるように、そういっ
たまとまった時間が取れなかったからちょうど良い。ずっと
ノドに刺さった魚の小骨のように
気になっていたから、スッキリした。今の比喩は昔から使いたくてウズウズして
いた。もう2度と使わないと思う。予備校の授業準備に比べれば、造作もないタ
スクだ。
夕方に昼寝をしたかったが、気分が乗らず。
明日からは日常生活が戻ってくるから、生活ペースを戻したいという意識があ
ったかもしれない。今日もよく晴れて暑かった。夏日だったと思う。このGWは
ほとんど毎日晴れた
から、行楽を楽しんだ人も多かったのでは。僕は布団干しなどを堪能した。人そ
れぞれの休日がある。
だいぶ陽が長くなった。
6時を過ぎても明るい。上記のように昼寝をしていないし、6時間睡眠だった
から眠くなるかもしれないと、今日の活動を終えることにする。入浴し、食事を
作ったあとは仕事に類することは一切やらない主義なので。
というタイミングで、ウナギ関係のメール。
業務報告書のフォーマットが今月から変更だからよろしく、みたいな内容。そ
こで
「今月ぶん、もう作っちゃったから、来月からでOK?」
と返すと、
「ああ、今月ぶんから作りなおしなさい」
だとさ。先に言えよ先に! そういうの、いつも見越して動いてんだよ! 予定
立てて片付けていかないと、俺の人生回らないんだよ! 俺の貴重な時間を返せ
よ!!
夕飯のメインは、しつこくチャンコ鍋。
3日連続である。読者様の中には、
「ちょっとネンチャクすぎるんじゃないか」
と心配する人もいるかもしれない。鍋用の食材を揃えると、独り暮らしで使い切
るにはどうしてもこうなるのです。
今日はしょう油味にしてみよう。
具は、昨日より減ったのが
・モヤシ、ゴボウ、鶏ツミレ
で、増えたのが
・市販のショーロンポー、大根
です。味付けは
・和風ダシ、しょう油、みりん、塩、ごま油、輪切りの唐辛子、酒
としてみました。きのう(塩味)おととい(味噌味)と美味しく作れたので、3
匹目のドジョウを狙いとした。これで成功すれば
チャンコ三冠王
を名乗れる。名乗ってどうするのだろう。なんて豪華な改行なんだろう。
結果、失敗(-_-;)
あれぇ、何がおかしかったのかなあ。しょう油だと砂糖を入れないといけない
のかな。酒と唐辛子は悪くないはずだが、ごま油が全体のバランスを崩したのだ
ろうか。塩を入れるのは正しいはずなんだが、やっぱゴボウがないとダメなのか
しら?
さて、連休もこれで終わり。
結果的には飛び石連休だったので存分に休めたとは言えないが、少しだけ余裕
を蓄えることができた。
>「いずれにせよ、その一方で」とタマルは言う。「この現実世界では時間は着
実に前に進んでいる。滞りもしないし、逆戻りもしない」
本当だろうか、と僕は青豆と同じように感じる。現実世界ってなんだ? そう考
えながら、僕はその中に戻っていく。きっと、あなたと同じように。
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