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ドアを閉めて、3時間の日曜日 11月7日
  新しいパソコンになってから4カ月くらい。
 どうやら、ハズレを引いたみたいだ。たいしたカスタマイズはしていないのに、

>バックアップ領域が足りない
>古いアイテムを整理しようとしたら、指定されたパスが正しくないのでムニャムニャ

などと文句ばかり言っている。「メモ帳」の保存ごときで

>メモリ不足だオイコラ

と言うのも変わらず。機械のくせに「オイコラ」とは何だ。「指定されたパス」ってお前、何も俺は指定してないぞと思う。だいたい、意味のわからない文章を読まされて

・出てくるアイコンは「OK」だけ

とか、客をなめてるのと違うか。実にユーザにやさしくない道具である。


 ハズレ、というのは実感だ。
 今のパソコンは4台目で、2台目もハズレだった。買った時点から「僕は君と会うために生まれてきたくはなかったかもしれない」と思わされるのがハズレ。道具として未完成な領域が多いのだろうと思う。完成度が高い、言わば

成熟した機械の代表例は冷蔵庫

だろうか。それが行う作業の複雑さは段違いだけど、「この冷蔵庫、ハズレだな」と思ったことはない。

 ついでに機種名。
 最初の2台は富士通のBIBLOで、次の2台は東芝の dynabook 。それぞれ古くなったもの(1台目と3台目だ)が良かったので、同じ機種を選んだ。パソコンに詳しくない、つまり僕のような

一般的なユーザの選択基準なんてそんなもの

と言える。色は最初の3台が銀、今は黒。ほとんど気にしていない。デザインも興味なし。願うのは快適に動くことだけで、これは買ってみないとわからない。外観のグレードよりも、中身の安定性を上げてくれと願うばかりである。おわかりですか、メーカの皆さん?


 7時起床、くもり。
 よく眠れた。息もつかずに7時間半、前半ウソ。それでは死んでしまう。風邪の気配も二日酔いもなく、気持ちの良い朝だ。今日が休みにならなかったことだけが残念かな。いつものような朝の雑事。風呂掃除、部屋掃除、朝食、コーヒー。そして出勤。

 ウナギ屋も多角経営。
 1日かぎりの特別出勤。唯一の休日である日曜日を潰されるのは痛いし、通勤時間もバカにならないが、お金になるので良い。生活苦しいからね。このところ、住宅ローンをどうやって返そうか、とばかり考えている。仕事は何の問題もなく終了。お昼過ぎに解放される。出先で書店に移動。


 来年度の手帳を買った。
 去年は10月11日に買っている。この12年くらい、『ペイジェム』というシリーズで固定しているという話は何年か前に書いた。この5年くらいは仕事が少なくて、いわゆる

マンスリー見開きタイプ

で足りている。今年は以上に書きこみが多いが、手帳って狭いスペースに文字が踊っているほうがカッコいいと思う。自分がヒマであることを視覚的に確認するのは、けっこうツライことである。他に文庫本を1冊買った。

 移動して昼食。
 定食店で豚焼き肉と麦とろ定食。とろろがたっぷりで嬉しかった。1回半もご飯をお代わりした。お昼過ぎからそこそこ晴れた。最高気温は19℃くらいで平年並み。帰宅して布団を干す。

やっと休日らしい時間を過ごせる。

今日こそ仕事関係のタスクをこなすのはやめよう。午後の2時過ぎ。


 たいしたことはできなかった。
 昼寝して、読書して、感想文を書いて、メールを数通。何かをするというより、気持ちを休める半休になった。


 『父・宮脇俊三への旅』宮脇灯子を読了。
 鉄道紀行作家として知られる父を持つ著者が、氏の没後に書いたエッセイ。
 宮脇先生が偲ばれて、何度も涙がにじんだ。

 宮脇俊三は名文家で知られる。
 情に流されず書きすぎず、必要な情報だけを盛り込んでさっと文章から引き上げる。僕が「テツわる」シリーズに代表される旅行記エッセイを好んで書くのは、彼の影響だといってまちがいない。書けば書くほど、宮脇さんにはかなわないな、と思うにしても。

 そういう作家だったから、氏は自分のことをほとんど書いていない。
 再婚で40歳近くになってから生まれた灯子とその次女を大事にする子煩悩な父であり、サラリーマン(といっても常務取締役)をやめて作家になったころの経緯などが描かれている。晩年には酒におぼれて体調を崩し休筆宣言をしていた、という話などは知らなかった。

 伝説の名編集者としての側面もおもしろかった。
 娘が書いた文章を、編集者の視点で宮脇俊三が読むシーンである。彼は原稿を手にして書斎にひきこもる。

>新聞でも、手紙でも、葉書一枚でも、父が何か文章に目を通すのはきまって書斎だった。手にしたのが居間で、一分もかからず読み終えられそうな場合でも、必ず書斎に持って行き、ドアを閉めて読んだ。

 スティーブン・キングの小説作法の逆だ。
 2008年5月1日の日記に書いたように、小説家としてのスティーブンは「最初はドアを閉めて書き、次にドアを開いて書く」としている。もちろんこれは比喩なのだけど、宮脇は他人の原稿を推敲するときにドアを閉めるのだ。文章を書き、読むという視点に、むしろ僕はスティーブンと宮脇の共通点を見る。

 最後に、一般的なオススメ度。
 宮脇俊三を読んだ経験がなければ、むしろこの本から入る手があるかもしれない。逆にその経験があれば、きっと面白く読める。僕は後者で、宮脇先生を敬愛しているからこそ、何度も悲しい思いをしたけれど。名著。


 夕飯は様々に。
 ソゲ(平目)の刺身はポン酢しょう油と小ネギで。1週間ほど前のホイコーローの調味料を使って野菜炒め。キャベツとネギとピーマンとモヤシ。納豆。日本そば。キムチは大葉で巻いて。日本酒がおいしい食卓。

 明日から早くも「今週」が始まる。
 たくさんのモノゴトに囲まれてせわしない日々が、ほんの半日の休みで戻ってくる。しんどいが、気力は落ちていない。こんな

メチャクチャな日常が続く今年度も

もうすぐ終わろうとしている。とりあえず、1か月後には多少なりとも落ち着いている。そのころ、安らかな気持ちで日記を書いていれば幸せなのだけど。今日は立冬、暦の上では冬になった。


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