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かつては陽がのぼったのであろう。  
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essay エッセイ
青森でも激走2! 1月12日
  団体専用的なホテルのためだろう、朝食は7時から。温泉旅館としては早い。
  さくさく済ませて激走へ。今日は津軽半島を1周しなければならない。明らか に走破距離が長くなりそうなので、能登半島の二の舞になる恐れがある。頑張るしかない。


  グイグイ走って津軽半島の根元にある金木町に9時過ぎに着く。
  ここには小説家・太宰治の生家である「斜陽館」がある。珍しく前もってチェ ックしておいた観光場所の1つ。古い建物がたまらなく好きなのだ。

  入場すると係員のオバハンが案内してくれる。
  まだ朝が早くて観光客が少ないせいなのか、僕1人のためにガイドをしてくれ るというのだ。僕はこういうのが好きではないのだが、結果的に詳しく観ること ができた。ありがとう、オバハン。

  明治時代の大地主であった貴族院議員の津島何とかさん(太宰治の父)が建て た豪邸である。
  1階に11室、2回に8室の和洋折衷の大御殿。言っては何だが凄い田舎に、こ んな無茶苦茶な建物をよく作ったと思う。オバハンによれば「ケタ違いの金持ち 」だったらしい。一時期は銀行業務もやっていたと(家の中でですよ!)いうこ とで、金融執務室なんてものまである。
  古いもの好き・歴史好きの好事家(こうずか=モノズキのこと)には一見の価 値があるだろう。普通の人がどうかは知らないけど。


  10時過ぎに出発。
  案内してもらったので見学に1時間近くかかったのだ。シジミで有名な十三湖に向か う。それほどの田舎道ではない。今日も暑い。

  お昼前に十三湖に着く。
  やはり昼飯はシジミかねとガイドブックを見ると、ホテルが1軒だけある。そ の手の(あんまり旨くはなさそうな)定食を出すという。行ってみれば「今日は 団体予約あるんで、休業」とのこと。チッ。

  湖畔に海の家が連なったようなレストラン街状のものがある。
  6軒くらいか。観光客とおぼしき人々は10人いないくらいの賑わい。しじみラ ーメンが連呼されている。まあ食べるしかないのだろうなあと750円のそれを注 文。

  白濁した、いわゆるしじみ汁にラーメンが入っている。つまり塩味。
  旨いと言えなくはないが、こんな田舎まで来てわざわざ食べるほど旨いという ほどではない。チマチマと身をほじくり出して食べるのがしじみの旨いところな のか。そう考えないと救いがない。そんな感じ。湿度の高い曇り空。じりっと汗 が出る。


  日本海を左手に見ながら北上。
  2時ごろ、ついに来ました津軽海峡冬景色、じゃないや津軽半島最北端の竜飛 岬。「階段国道」で有名な339号線がある。岬で国道が行き止まりになり、輪を描 くようになった一部が階段になっているというだけのこと。珍しいと言えば珍し いがね(-.-)

  そして注目の『津軽海峡冬景色』の石碑。
  これがなかなかのものです。高さ3メートル、横幅8メートルくらいでなかな か立派。大きなスピーカーがついていて、本当に『津軽海峡冬景色』がかかって いるのですッ!

北へ向かう 人の群れは
誰も無口でぇぇぇぇ・・・

  岬の近くに駐車場があって、そこにクルマを停めたときから聴こえてくる。
  ずっと演奏(ってのか?)されているのかと思うとそうでもない。灯台と前述 の階段国道を見物したあとで石碑に近寄ってみると、左上の写真の通りであった。


  赤いボタン、見えますか?
  直径10センチくらいなんですが、これを観光客が任意に押すと演奏されるので す。

上野発の 夜行列車
降りたときからぁぁぁぁ・・・

  これが1番の歌詞だと思っていたけど、実際には「北へ向かう人の群れは ・・・」の2番だけ流れる。
  石碑に刻まれた歌詞も「北へ向かう・・・」だけ(画像は3番だと思われる)。
  こっちが1番だったのかな? 説明板にも書いていないし、質問できる相手もい ない。それはともかく、日記でくじらくんが書いていたように唄ったのかどうか ?


  そりゃもちろん絶唱しましたよ。近くに人がいないタイミングをちゃんと見計 らいましたがね(-_-;)


  今度は津軽半島の東側を通って南下する。
  道路は空いていて、2時間ちょっとで青森市内に入れた。今夜の宿はJALシ ティホテル青森。1泊朝食付き9000円くらいの宿だが、ディスカウントで食事な し6800円。

  シャワーなぞ浴びて夜の街へ。
  雨が降ったりやんだりで蒸し暑い。小さな飲み屋に入る。綺麗な店。全ての客 は靴を脱いで畳の上にあがるシステム。若い夫婦だけで経営している。カウンタ ー4席・テーブル4つ。カウンターといっても畳の上に高さ15センチくらいの可 愛らしい椅子がある。まだ早い時間なので客はいない。一人だから、もちろんカ ウンターに座る。

・生ビール2杯
・ホタテ刺身
・日本酒1合
・鶏の手羽先焼き

  僕より少し若いくらいの主人もヒマなのか、話かけてくる。
  とうぜん「お仕事ですか」と訊かれる。違う。カタギじゃないから。一人旅。 激走中。嫁募集中(言わなかった)。明日行こうとしている下北半島がどれだけ 広いか説明してもらう。

「海岸沿いに行くんですか? そりゃあ大変なことになりますよ。最北端まで、 ここから5時間はかかります」

  ふーんそうなのか。お会計は2800円。けっこう安いな。ホタテも旨かったし。
  店を変える。はじめからハシゴする気だったのだ。暗くなった街を歩く。あま り人の気配がない。繁華街のハズレにいるんだろうか。


  ガイドブックにのっていた寿司屋を発見。

>カウンターは青森ヒバの1枚板

  その一番端っこに案内される。なるほどいい香りがする。
  ケッコウ高そうな店だ。メニューなんてものはありません。値段も出ていませ ん。自分で注文できない客はお断りですから。そういう感じの大人の店。
  まだ僕くらいの年齢だと似合わない。寿司屋のカウンターで、しかもそれが旅 先で入った一見さんで、しっとりと呑めれば大人だ。まだそこまではいかない。 あと10年もすればもう少し格好がつくかもしれない。早く大人になりたい。

・生ビール1杯
・握り5貫(おまかせ)
・日本酒1合

  まだ呑めたし食べられたけど、お勘定も気になるし、そもそも落ち着かない。
  ほろ酔い程度で引き揚げるのも悪くない。3850円。9時過ぎ就寝。
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