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道具って何だろう 3月18日


  8時半起床。

・目が覚めてみればビジネスホテルとしては広すぎる部屋に泊まっていたと気が ついたものの、寝室の隣のリビングのエアコンからは、たくさんのホコリがふき 出されていて困惑

という夢でした。


  朝食を取ってから午前中は読書。

  『工作少年の日々』森博嗣を読了。
  主に工作に関わるものづくりを語るエッセイ。
  言葉の遊びが冗長過ぎて鼻につく部分はあるにせよ、なかなか良い。

  森博嗣が完全に「エッセイ」としてカテゴライズした本は本書が初めてのよう である。
  森はエッセイに似せた文章を数多く書いているけれど(ウェブ日記など:ヒマ ここ)、はじめから連載エッセイとして書いたものはこれまでになかったらしい 。同じスタイルの本には、文庫出版の時期が前後しているが『悠悠おもちゃライ フ』がある(ヒマここ感想文)。

  例によって内容にクセがある
  文章を書く道具としてのワープロ(もちろんPCソフトのこと)について。森 は作家デビュー当時からワープロを使っていて、「もしワープロがなかったら」 と仮定されれば文章を書かなかったと明言している。

>小学校の作文でも、指が痛くなって非常に苦痛だった。あまり痛いので、右手 で書いたり左手で書いたりしていたら、先生から「真面目にやりなさい」と言わ れたことがあるが、本人はいたって真面目に、「どっちの手が向いているだろう 」と悩んでいたのだ。キーボードになって、そういう悩みからは解放された。素 晴らしいことだ。人間の手や指の形は、そもそもペンを握るのに適していない。 無理なことをしていたのだと思う。

  森は完全な両利き。
  自宅のMacは2台並べられていて、左右に1つずつマウスを配置しているそ うだ。その事実自体が彼の特長ある思考システムを形作っているとは思うけれど 、なかなかここまで書く人はいない。凡庸なエッセイストなら、「手はモノを握 るのに都合よく造られている」なんて凡庸なことを書いていただろう。

  小学生のころに、母親に工具のニッパを買ってもらった話題。
  1960年代で5,000円もする非常に高価なニッパだったという。それを大事に使っ たかというとそうでもなくて、ときどき失くしたりカバーは壊れたりしてしまっ た。それでもいまだに現役で使われていて、やはり「高い工具は一生ものだ」と している。

  森は小説を書こうとしたときに、まず6万円の椅子を買ったそうだ。
  ちゃんとした道具がなければ仕事ができないと考えたのがその理由ということ である。そこまではいかないにせよ、僕も同じように考えている。人間の身体だ けで何かを作り出せることはほとんどなくて、身体と外界をつなぐための道具は どうしても必要になる、という話題も何回も書いている(直接的にこういう書き 方はしないから気がつかなかったかもしれないが、それは読者様の責任ではない )。

  しかし、ここからが森の文章の上手さである。
  道具が大切だというこのエッセイは以下のように締めくくられる。

>道具が悪いと、本当に良い仕事は望めない。もし、あなたがなにかをうまくで きないとしたら、それはまちがいなく道具が悪いと疑って良いだろう。ただし、 その場合、あなた自身が道具である可能性もあることに注意しなければならない が。

  最後の最後でイタっと思わせる引っくり返し方。
  やっぱりプロの文章は違うよな。人によっては、相当に腹が立つタイプの文章 なので、くれぐれも自分との相性を考えてから立ち読みしてみてください。


  昼食はスーパーで買ってきた鳥ソボロ弁当。
  ふつう。カブが安売りされていたのでついでに買っただけ。

  プールを済ませて、午後は授業準備の仕上げ。
  とりあえず1Aタームぶん、つまり3月の通常授業ぶんは終わりました。昨日 書いたように、春期講習のテキスト未着が心配です。時間が前後して、出勤した ら拝受できました。ネタがないな。


  ときに、日本経済(ここで笑わないようにw)も大変ですね。
  とんでもない円高で、関係あるのでしょうが、日経平均株価が下がっているん だそうです。株をやっている人って多いですよね。素朴な疑問として、株をやっ ている人は、

負けているときになぜ株の話題を持ち出さないんですか?

というものがあります。不思議だよね。勝っているときは株をやらない人にもガ ンガン自慢するんですが、相場全体が下落傾向だと、株をやらない人は絶対に話 を振らないんですよね。資産管理ならば、減った増えたということは 話題にしないのが紳士というものでしょうか。

  夕方に2回目の昼食はラーメン。
  まだ空腹なので、頂き物のバームクーヘンを校舎に持参して授業前に食べまし た。いったいどこまで食べるのか、読者様も僕も不思議に思うことでしょう。食 べまくって、そのぶんのエネルギーを消費するのが人生の目的です。


  2年生も2週目。
  先週は半ギレ気味だったせいか、皆さん予習をちゃんとやってきました。

「 and のつなぐもの」をきちんと考えてきた

のには高い評価を与えました。2年生で、しかもハイレベルクラスなので徹底的 に指名していきます。あらゆる意味で、低学年の最上位クラスというのは、その 予備校を牽引するものなのです。どういう意味があるのかは、皆さんで考えてく ださい。特に正解はありません。


  今日も宣伝をしてきました。
  以下コピペです。一般読者様は画面スクロールをよろしく。

  授業中に、ズルっこく3月20日(木・祝日)の体験授業の宣伝を入れる。
  本来は外部生向けだけど、正会員も受講できるもの。いずれも無料(申し込み は必要)。

・新高2 チャレンジ ハイレベル入試英語
  6:20〜7:40
・新高3 GET合格 MARCH英語
  8:00〜9:20

いずれも授業内容の詳細・対象となるレベルは「ここ」の過去日記の文末にあり ます。


  あれ。
  2年生は6:20からでしたか。8時からと言ってしまった。ごめん。ま、受付で 気がつくでしょう。当日申し込みでも参加できるので、学校のお友達も誘って参 加してください。受験と自分の実力距離を測るのはきわめて重要なことです。春 は、どの学年でも受験勉強をスタートさせる最高の季節で、キッカケが大切なの です。み〜んなで来てね!


  夕食。
  今日のメインは銀ダラの西京味噌漬けでした。旨いのう。銀ダラって、千葉で は外国産しか売っていないんだけど、全国的なものなんでしょうか。本来的には 、

銀ダラと言えばタラチリ

という感じもしますが(油が多く、鍋野菜にマッチします)、西京味噌漬けもグ ッドです。皮まで美味しく食べられました。

  ビールはサッポロの『ビアファイン』。
  ビールの新しい話題が続くのは珍しい。糖質50%オフという触れ込み。体には 良さそうだけど(糖尿対策でしょうな)、味に深みがないですね。やや発泡酒に 近いものを感じたけれど、健康を気にする人ならソコソコ納得できるんじゃない かな。


  さて、この日記の中に、あなたの道具は見つかりましたでしょうか?
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