予備校講師でわるかったな!





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鉄道博物館はテツには向かず 6月16日


  4時20分起床。

・キショという漢字は3つあるじゃないかと問われる。奇書、これは基本だ。棋書、これはわりに特殊な気がするが無理な表記でもない。もう1つは果たして・・・

という夢だった。
  3時半に目覚めて、いくら何でも早すぎるだろとまどろんでいたが、ついに眠りに落ちることはなかった。まどろみは嫌いではないけれど、それだけ見る夢の数が増えて困るのだ。そもそも、昨晩は10時過ぎに寝たというのが良くなかったか。


  意図的にノロノロと行動。
  起床の約15分後に玄関エントランスに新聞を取りに行くのが日課だ。でもこんなに早いと降りていって無駄足ということもあるかもしれない、という読み。それでも耐え切れず4時50分には取りに行った、来ていた、良かった。朝にTVでニュースを見る習慣は捨てたので、新聞を読まないとニュースが手に入らないのだ。


  まだ5時半。
  軽く本を読んでからヒミツの花園。早朝は集中できる。朝は曇っていたが、昼前からよく晴れた。とても暑い1日だった。梅雨はどこにいったんだろう。

  8時半に昼食。
  これもあまりに早すぎるような気がする。しかもカレーライス。だからまだ朝だって。将棋の名人戦が9時からTV中継。先手羽生挑戦者の第1手を観てから予定通り外出。いつまでも布団干しに興じていられるかッ!


  行き先は大宮だ。
  途中の車内で、出勤途中の予備校講師某氏と遭遇してしまった。すでに通勤ラッシュの混雑は終わっていて、つり革につかまる人もチラホラ、というところである。某氏は僕のナナメ向かいで

鼻チョウチン

を出して居眠りしていた。今どき鼻チョウチンはないだろ(-_-)

  彼の隣が空いたので移動して彼を起こす。
  おい、鼻チョウチン出てるぞ。この時代、昼間の、つまり浪人生の授業があるというのは「勝ち組」であろうか。僕なんか5連休の最終日で、こんなに早起きしてしかもこれから遊びに行くのである。なんたる負け組っぷりか。

某「へ。なんでこんなところにいるんですか?」
僕「ええ、ちょっと大宮に用事が」
某「大宮、はぁ(なんだそれは)
僕「これから仕事ですか」
某「へぇ、まあそりゃ(お前と一緒にするなよ!)


  大宮駅で乗り換え。
  いやー、千葉からここまでは遠いですわ。行き先はもちろん、鉄道博物館。そうです、去年オープンしたあれです。某BBQ数学講師Cによれば、これは必見とのこと。平日ならすでに混雑してないとも。先日の会話を復刻。

C 「独りでもダイジョブですよ、あそこは」
僕「テツがいるからな」
C 「先生だって仲間じゃないすか」
僕「うるさいな」
C 「リュック背負って、カメラ持って、チェックの長袖シャツ着て、独りで来ている若いヤツがたくさんいます」
僕「シャツの裾はズボンにイン、力強くイン、これだな!」
C 「先生も仲間作れますよ」


  大宮駅からニューシャトルという電車で1駅。
  ゆりかもめみたいな奴です。ただし有人運転(ワンマン)。ものすごく混雑していて、到着すぐのそれには乗れず。朝の常磐線みたいな混雑。仕方がなく次を待つ。なんと15分待ち。

  博物館は、大宮駅から歩けば20分くらいの距離にあるようだ。
  大宮の車両基地の1部を利用したと思われるが、JRとのアクセスがないってのはどんなもんだろう。ただし、ニューシャトルの鉄道博物館駅からは徒歩1分。

  入場料はオトナ1,000円。
  スイカを使うシステムなどについては、上記のリンクを参照。

スイカで駅のように改札を通過するのではない、

というのがネック。券売機でスイカに入場記録を入れてもらうようになっている。そのために列を作らねばならず、これじゃあ意味ないじゃんね。しかも

スイカは1人1枚必要

で、お子様連れには何の役にも立たない。自分用のスイカを持っている幼稚園児 がどれだけいるか、考えてもいないのだろう。世の中はお利口がイッパイ(^^)


  結論を書く。
  つまらない。全然ダメ。何これって感じ。もう2度といかない。実はここに来るのをすごく楽しみにしていて、向かう途中も「どういう楽しみ方をしてどういうエッセイを書こうかな」と考えていた。すごく期待していたのだ。テツとして。世界を清めるテツとして。人々を善に導く清きテツとして。

  理由を書こう。
  第1に、子ども向けだということ。博物館のわりには古いものの展示が少ない。展示方法も下手。混んでいることもあったが、落ち着いて鉄道の歴史を学べる空間がないということだ。小学生くらいまでの子どもにしか視線が行っていない作り方なのだ。

  第2に、保存展示になっていないこと。
  たしかに古い車両がたくさん置いてあるのだが、塗装をやり直すなどしていて、本当の古さが感じられない。物体としての鉄道車両には時間と距離を経過してきた重みがあるものだが、展示のための「リニューアル」でその雰囲気が消えてしまっているのだ。ある程度、仕方がないとは思うにせよ。

  最後に、僕が実車族あるいはダイヤ族(時刻表族)であること。
  用語の意味は「ここ」のエッセイを参照してください。動いていない物体としての鉄道に意味を感じられないということである。では車両族や施設族といったテツが楽しめるかというと、想像だが、レベルが低いのではないか。「ここ」で紹介した蒸気機関車のほうが勝っているかと思う。


  良いところもあった。
  巨大な『電車でGO!』のシステムがあったこと。実際の運転席と同じものを使っているようで、ゲームとはレベルが違うように見える。SLバージョンだけは有料だが、他は無料。ただし並ぶ。月曜の昼間で

最低90分待ち・最高120分待ち

というのは相当なものだと思う。やってみたかったが、さすがに諦めた。ディズニーリゾートかよ、ここは(-_-;)

  またあるいは、自分で運転できるミニ鉄道があったこと。
  運転といっても、ゴーカートに近い、速度の上げ下げができる程度のものらしい。これは予約制でたぶん有料。お昼前には「本日は予約満席」となっていたから、開館と同時に入ってゲットすることが必要になる。運転したかったなあ。


  大宮に戻り、どうでもいい「日高屋」というチェーン店のラーメンを食べた。
  千葉に戻るまでの車窓が楽しかった。行きとは異なる電車を利用した。埼玉なんて(すいません、千葉県民ですので)滅多にいかないし。ここまで書いて思ったのは、

僕はやはり乗りテツ

なのだな、ということ。動かない鉄道は、あくまで過去の歴史に過ぎないのだ。

  また一方で思うこと。
  空いていれば、印象が全く変わっただろう。お昼どきということもあって、食堂やら弁当売り場にまで行列ができていた。展示されている客車には「飲食可」というものもあったけど、幼児連れの人々で大混雑していた。

博物館って、死に絶えたような場所であるべきだ。

そうすれば、記憶という過去の遺物と、あるいは自分の記憶にすらない過去と対峙することができたのに、と思う。


  意外にエッセイに近い日記になった。
  帰宅前にスーパーに寄った。ホンマグロの中落ちを安く買えた。昨日の残り物やネギトロや切干大根と油揚げの煮物を食べた。みんな美味しかった。いや、本当にロクでもない博物館だったけど、僕の中には何かが残った。うん、

外に出て何かを見てくるって本当に良いこと

だよね。明日から平常の日々に戻る。そうだ、けっこう楽しかったんだ、実は。


追記:一話一膳「鶏ひき肉とゴボウの炒め物」をアップしました。
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