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永世七冠への実況中継 |
12月18日 |
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7時40分起床。
ちょっと寝坊。以前と同じ状況設定の夢で目覚めたので少しおどろいた。
・マンションを売ってしまった僕は8年前まで住んでいたアパートに戻り、しか
しそのアパートは改築されていて広くてよかった、日当たりもいいし
というもの。夢にまで日当たりの問題が出てくるとは、さすが布団干しが趣味の
男だけある、と感心してしまった。
今日も将棋の竜王戦を軸として生きていくことになる。
掃除と朝食を済ませてからTV中継を観戦。少しだけ渡辺竜王が良いように見
える。1時間で5手進んだ。本当に今日、
この長い勝負に決着がついてしまう
んだな、と感慨しきり。なにしろ、初代永世竜王がはじめて生まれるのだ。今回
の竜王戦の歴史的位置づけなどについては9月13日の日記で。
10時からネット観戦に切り替え、ヒミツの花園。
たしか前回の第6局2日目(ヒマここ日記)のときには、午後に取り組んで
集中力を欠いた記憶
があるため。同じミスは繰り返しても良いが、繰り返さない努力だけはしたい。
今日の場合はたまたま努力が実って集中できた。朝から快晴で暖かい。布団も洗
濯物もよく乾いた。すてきだ。
プールと買い物と昼食買出し。
日本酒を1升買う。お昼ご飯はカツ丼。実にわかりやすい。竜王戦も1時半か
ら再開。決戦。こころもち渡辺竜王が良いように見えるのは変わらない。従来型
のどっしりと駒組みを決めた矢倉戦ではなく、
お互いに不安定な玉のまま戦う
急戦矢倉。単調な攻め合いではなく、タイトル戦に特有の綾(あや)のある指し
手が続く。終わってみれば名局となるだろうか。
ネット中継を観ながら授業準備と読書。
感想文を書く。
『話しあえない親子たち』伊藤友宣を読了。
心理カウンセラーの著者が話し合うというコミュニケーションについて語る本
。
意味がよくわからなかった。
要約するのが難しいので、表紙見返し部分の「内容紹介」から引用する。
>相手の言うことを否定し上からの意見を押しつける<対立>のことば=「だけ
ど」から、互いの違いを認め相手を受容する<対位>のことば=「だのに」へ
。
「だけど」を捨てて、「だのに」を使おうという話が何度も出てくる。そうや
って言い換えると何かが変わるのかなあと不思議に思って読み進めると、そのま
ま話は終わってしまった。本書前半の戦争と歴史の話や、終盤のフロイトの話が
、著者の主張点とどう重なるのかサッパリ理解できなかった。これ、ひょっとし
て、
タダのダメ本?
という疑いもぬぐえない。ひょっとして僕だけがアホなのか(それは事実なのだ
が)と思ってアテにならないアマゾンの書評を読んでも、これといった肯定的感
想文はなかった。やっぱダメ本?
夕方4時からTV中継再開。
現地に観戦に行こうと思ってやめたのはおととい(ヒマここ)のこと。代わり
に千駄ヶ谷で夕方5時から行われる解説会に行こうかと考えたが。それも自重。
羽生やや良しの局面。しかし徐々に渡辺ペースに傾く。ウェブ中継のコメント。
>17時過ぎ、東京将棋会館の大盤解説場は、2階から1階までズラーっと行列が
出来ているそうだ。現地も人が入りきらないほどの満員御礼。350人以上が詰め掛
けているという。
観に行かなくて良かったようだ。
18時を過ぎて形勢は混沌。残り時間は先手羽生が15分、後手渡辺が13分ほどか
。ふだんの18時までとは異なり、今日のTV中継は18時45分まで。終局シーンが
観られるかどうかギリギリ。いまのリアルタイムは18時9分。ここまで日記を書
いてきて現実の時間に追いついた。
18時20分ころ、渡辺勝勢。
もうこれはダメか。18時44分、渡辺の手番で渡辺の残りは4分、羽生も4分。
45分で終わるはずのTV中継は延長となった。
GJ、NHK!
いまどきGJはないすか(@_@;)
不利な羽生が95手目、攻防手の6六角。再逆転? どうなんだろう。48分、渡
辺は時間を使いきった。ここから1手1分で指すことになる。57分、羽生も1手
1分で指すことになった。この状態を「1分将棋」と言う。NHKのアナウンサ
ー。
>放送時間残り3分となって、
>残り1分、こちらも秒読みです!
ふざけろNHK!
泥仕合になった。
ウェブ中継の128手目のコメント。プロ棋士が集ってコメントを作っているそう
だが・・・。
>もうわけが分からない。
プロ、しっかりしろ!
19時30分終局。
140手まで、渡辺竜王の勝ち。これで初の永世竜王となった。いやはや。防衛が
難しいタイトル戦として有名な竜王戦だけに、たしかに価値ある5連覇だった。
渡辺は、ついにタイトル戦史上初の3連敗後の4連勝を成し遂げた。
恐るべき快挙。12月5日の日記に書いたとおりで、とんでもないことをやって
くれた。それだけの力はあるし、しかも相手が羽生ということで、なおさら歴史
に残る結果になった。次の目標は、まだ先だが名人位のはず。今までも何度も書
いたように、その能力はあるはず。
羽生は逆に、彼の栄光の歴史にある意味では汚点を残す敗退だったろうか。
永世七冠に挑戦するチャンスはこれからもある。とにかく、もう1度竜王戦の
挑戦者になって、7番勝負を勝ちきればいいのだから。僕としては残念だけど、
まだ先に何かがあるというのは、むしろ羽生にとっては歓迎材料だろう。未踏の
地をあえて選ぶ棋風に僕はあこがれている。
竜王戦全体はどうだったか。
あまりデキの良いシリーズではなかった。第1局だけが均衡の取れた将棋で、
第4局は大逆転。ほかは完勝(完敗)の内容が多く、今日の第7局は熱戦だった
が名局とはいえない。上記の通り、泥仕合である。どうせ明日のメディアは「名
局」と報じるだろうけど、
名局に必要な美しさはなかった
と言い切る。主観だからどっちでもいいとは言えるにせよ。
しかし観戦で疲れきったよ。
風呂に入ってから急いで夕飯を作る。観戦のあいだは何も食べられないから空
腹だったのだ。豚ロース肉とエリンギのしょうが焼き。冷奴。カブの浅漬け。大
根おろし。キュウリもみ。缶詰めのイワシ。その他もろもろ。永世七冠のお祝い
用に買っておいた日本酒を開封する。美味しかったが、今日は感想を書く気力が
ないので後日に・・・。
将棋観戦の何が楽しいのだろう。
どちらが勝っても、僕の人生には関係ないじゃないか。誰が永世竜王になって
も、僕の生活がより良いものになるわけではない。たとえは悪いが、銀玉で負け
れば生活レベルは落ちるし、勝てば上がる。そういうのと将棋観戦は異なる。何
が違うのだろう。たまには読者様のほうで考えてください。
ああしかし、羽生は惜しかったな。
件名にふさわしい内容になることを願って観戦して、かつ書いていたのだけど
。気を落とさずに、がんばろう。羽生先生もがんばってください。そして何より
、
渡辺竜王、おめでとうございます!
ちくしょう、悔しいよ! |
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