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角煮に妥協はない 1月7日
  7時起床。早起き過ぎるって。
  朝食のフレンチトーストも久しぶり。これからしばらくはのんびりした朝食を 取れるのが嬉しい。


  8時から読書。
  『ウェブ人間論』を読了。
  『ウェブ進化論』で知られる梅田望夫と芥川賞作家である平野啓一郎による対 談集。内容の濃さと複雑さがきわめて面白い。『ウェブ進化論』が難しすぎるく らいの、つまり僕レベルのネット無知にはちょうどいい本だろう。詳しくは後日 にエッセイで。

  梅田はもちろんウェブ2.0の世界の住人であり、平野はそれに対立すると言っ てもいい純文学の作家である。
  ウェブが人間をどう変えるか2人は意見を闘わせるが、なかなか妥協点は見つ からない。

>平野
なるほど。そこで『ウェブ進化論』を書かれたモチベーションとしては、ネッ トの中で十分に語りつくせないものがあったということでしょうか。

>梅田
語り尽くせないことがあったというよりは、思考を構造化したかったというこ とですね。考えを一つの構造にまとめるのに適したメディアはやはり本しかない と思いました。

>平野
物書きが生業の人ならともかく、梅田さんのような方がそうおっしゃることの インパクトはあるでしょうね。


  このくだりでは梅田が平野の世界に譲歩しているように見えるが、平野は納得 していない。
  梅田が「向こう側=ウェブ2.0の世界」にいる住人であるからこそ、この発言 に意味なり価値なりがあると認めているのであって、「こちら側=リアル世界」 にいる自分(平野)がこの発言をしてもインパクトがないとしているわけだ。

  このような「一見は妥協なり和解が成り立ったように見えるけど、本当はそう じゃないだろ」という意見の厳しい対立があちこちに存在するため、本書は本来 的な意味での対談集になっている。
  およそ対談集というのは仲の良い2人の馴れ合いのようなものが多いだけに、 立場の違いから生じる意見の違い、そしてその対立がみごとに調和している。い や、調和というより響きあい、共鳴という感じかもしれない。

  なお、感想文から少々離れるが、共著者についてこのHPで書いてきたものが ある。
  『ウェブ進化論』については「ここ」のエッセイ、平野啓一郎については「こ こ」のエッセイである。前者では梅田またはその著書を賞賛し、後者では平野ま たはその言葉遣いを批判している。いちど批判した作家の本を再び手に取るとい うのが意外に感じられる人もいるかもしれない。

  しかしもちろん価値があるから批判するのである。
  それにしても、平野啓一郎のスノビズム(俗物性)に不快感を覚えるのは僕だ けではあるまいね。


  10時過ぎ。
  好天なれど風強し。布団が干せないのでかわりに洗濯。しかし洗い物が少ない ようなので家宅捜索。洗濯機はできるだけイッパイにしてから回したほうが経済 効率が良いからだ。

  するとベッドサイドにセーターとカーディガンが。
  ううむ、これは半年くらい放置したままのような気がするナ。たしか捨てるか どうか悩んだんだっけ。いま洗ってこの冬でサヨナラすっかと洗濯機に放り込む 。

  1回目の昼食はラーメン。
  あると思ったチャーシューが切れていて結果的にモヤシソバ。普通。食後に将 棋を観ながらアイロンかけ。しかしヒマだな。年賀状が目に付く。リアル年賀状 、返事を出してなかった・・・。

  まずいよな、もう7日じゃないか。
  ちゃんと誰に出したか・出してないか・出しても来ないかをチェックしている のだが、今年はウッカリ忘れていた。まあ5日に到着したのだから、出してくれ たほうも元旦過ぎてから投函したのだろう。こりこり。


  お昼を過ぎた。
  HPの作業。前述の本の感想文に非常に手こずる。「のだめカンタービレ」C Dの2枚目を聴きながら。ラヴェルの『水の戯れ』が良かった。ピアノの音が水 の跳ねる音のように聴こえる。やはりピアノソナタが僕の好みのようだ。

  2時になったところで外出。
  書店・CD店・スーパーの3点セット。2軒の書店で30分ほど放浪するも、本 と目が合わず収穫は文庫2冊だけ。CD店はスタンプカードが期限切れ寸前なの で使い切る作戦。これは無事に成功。しかしスーパーじゃあるまいし今どきスタ ンプカードって、さすが千葉県だ。

  帰宅して鶏そぼろ弁当が2回目の昼食。
  相変わらず食ってばかりだが、1回に食べる量は少ない。そういえば今年の年 賀状では「太り始めて・・・」という嘆きがあちこちに見られた。みんな中年な んだねえ。もっとも、僕は腹なんか出てない。それはまあ脱げば多少は出てるけ ど、外見からは全く目立たない。ウェストサイズも10年以上変化ナシ。20歳のと きよりも細くなっているほどだ。そもそも脱がないから問題ないよな(^^ゞ

  夕飯の仕込みをしながら「ヒミツの花園」を1時間。
  釈由美子のTVドラマとは無関係。仕込みは初挑戦となる豚の角煮。下茹でが 2時間というのがすごいな。


  大相撲の開幕。
  開幕とは言わないのかな。楽しみにしていた稀勢の里(←この人を応援してい るのです)と琴欧洲の取組は、変化(立会いで身を翻すこと)で琴欧洲の勝ち。 つまらん。場内からもブーイング。それにしても、稀勢の里も先場所で横綱に変 化でやられているんだから気をつけろよな。

  8時過ぎに夕食。
  豚の角煮はマズマズのデキ。下ごしらえを丁寧にやっただけあって非常に柔ら かい。しかし味付けがイマイチ。もっと砂糖とみりんを入れて甘めにするか、あ るいは八角でも入れて味を強くしないと酒肴には向かない。

  煮玉子も加えたが、やはり味が薄い。
  もっと練習して来年の今頃には「一膳」シリーズに加えたいものだ。そのため には、進化する必要と、物語るだけの経験が必要になるだろう。


追記:エッセイ233「家探しの詳細 その2」、同234「青森でも激走1!」をア ップしました。
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